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Interview

Interview / 2024.05.20

長濱ねるが思う変化と葛藤「自分の性格がすごく明るくなったと感じています」

俳優だけでなく執筆活動やMCなど多方面で存在感を放っている長濱ねるちゃんにインタビュー。今号のテーマ「Journey」にちなみ、旅行のエピソードから、“人生の旅”をテーマにした質問などを聞いてみました。「自分の性格が明るくなった」一方で感じる、葛藤についても話してくれました。

ここ2〜3年で「少し生きやすくなりました」

ドレス¥57,200、ブラウス¥19,800/ともにキュリオズ ヘッドドレス 参考商品/タナカダイスケ

これから行ってみたい国はありますか?

景色や建築も好きなので行ってみたい国のリストは頭のなかにあります。スイスから帰国したあとに絶景のなかを滑れる大きな滑り台の動画を見つけて、次に行ったら絶対これは体験したい!と思っています。行ったことのない国では、ウズベキスタンの“青の都”サマルカンドのモスクにも行ってみたいですし、ブラジルのリオデジャネイロにある王立ポルトガル図書館にも行ってみたいです。“幻想図書館”と呼ばれていて、魔法使いが使っていそうな図書館なんです。

ひとり旅が多いですか?

休みを人に合わせてもらうのがなかなかむずかしい職業なので、ひとりで行くことが多いです。でも香港とマカオの旅行は、地元の友達と行けました。すごく楽しかったし、おいしいグルメもシェアできるので、友達と行く旅もいいなと思いました。旅は、疑似転生のような感覚があります。普段は人の目を気にしてできないようなことでも、海外なら違う人物になってちょっとアグレッシブになれる。今回の衣装で着たようなドレスを着て街に出かけられるかなという気にもなったり、すごくリフレッシュになります。国内でも、思い立ったらひとりで旅立ちます。先日は岡山に行って、バンジージャンプをしてきました。以前、群馬にバンジージャンプをしに行ったのですが、恥ずかしながら直前で怖くなってしまい辞退した苦い思い出があって……。ひとりで行くくらいだから、どれだけバンジージャンプが好きなんだよって思われていたと思うのですが(笑)。バンジージャンプって、下がマットか水かでも恐怖心が変わりますよね。岡山のバンジージャンプは下が水だったので、無事飛ぶことができました!

「Journey」にはある状態から長い時間をかけて別の状態に変わるという意味もあります。これまでに長い時間をかけて変わったなと思うことはありますか?

最近の悩みでもあるのですが、自分の性格がすごく明るくなったと感じています。最近、年齢を重ねてきたからなのか、そんなに落ち込むことが少なくなってきました。多分自分のことがようやくわかってきて、身の程を知って自分に期待しなくなったからだと思います。失敗したとしても、そこが自分の現在地なだけ。自分の100%の力を出して、その結果が失敗ならば、ただ精進するしかないと切り替えられるようになり少し生きやすくなりました。でもそれって、今まで自分が書いてきた生きづらさをつづった文章に共感してくれていた人を裏切るのかなとも思ったり……。

いやいや、年々変化していくことは悪いことではないですよ。今のねるさんの素直な言葉が応援してくれる方には刺さるんだと思います。ポジティブな変化はいいことだと思います。

この2~3年くらいで、すごく変化したなと自覚しています。それはお芝居のお仕事をするようになったのと同時期です。ずっとお芝居に苦手意識を持っていたのですが、続けていると失敗を繰り返さなくなったり、できなかったことができるようになったり、小さな成功体験もあったりします。できないことを直視しなきゃいけないからこそ、自分の変化にちょっとずつ気づけるようになりました。あと、同世代の人でがんばっている人に刺激を受けています。役者さんだけではなく作家さんや洋服を作っている人やクリエイターさんなどの他業種の人も含めて、少しずつコミュニティが広がって、自分もがんばらなきゃ、と思えている気がします。

「Journey」を人生という長い旅と捉えたとすると、自分は今どのあたりにいてどこへ向かっていきたいですか。

自分の人生、実はもう6割ぐらいまで来ているのかなと考えています。今、25歳なのですが、10代から好みが変わっていません。8年前にいいと思っていたものは今でもいいと思いますし、そのときに買った服を今でもスタメンとして着ています。自分の人格的なところや趣味なども、すでに今の段階で形成されたなという気がしていて、今後あまり変化しないのかなと思っています。そう思うと、これから変化するのはあと4割くらいなのかな? ある程度、自分の機嫌の取り方をわかってきたので、これからが楽しみです。未来がどうなるかわからなくてワクワクするというよりは、今の自分がどんなふうに年を重ねていくのかがすごく気になります。

体調管理の秘訣は「睡眠」。枕や音、香りへのこだわり

ナイティ¥18,700、中に着たショーツ¥13,200/ともにキュリオズ チュニック¥46,200、ブーツ¥39,600/ともにジェニーファックス ソックス¥22,000/タナカダイスケ

忙しい日々を過ごされていますが、体調管理などについて教えてください。

ドラマの撮影に入ると、結構不規則な生活になってしまって、まったくメンテナンスができていないです。とにかく寝ることを心掛けています。疲れているときほど、とにかく睡眠時間を確保します。1日休みがあれば、なるべく寝る。2日休みがあれば、2日目はピラティスとか運動をする。3日休みがあれば、どこか旅に出かけちゃいます(笑)。

睡眠のこだわりはありますか?

マットレスにはすごくこだわっていて、ちょっと軟らかめが好きですが、いろいろと比較検討して購入したものを使っています。枕も頭の高さなどを測って作りました。香りも好きで、WoodWickのハースウィックというシリーズのアロマキャンドルを4年くらい愛用しています。パチパチと焚き火のような音と香りが楽しめて癒されます。いろいろな香りがあって、私はサンダルウッドやトンカビーンズ、カリンなどの組み合わせのノート(香調)のカシミヤという香りが大好きです。プレゼントにもおすすめです。

食生活はいかがですか?

なるべく野菜は摂るようにしています。最近だと、カブのスープやベトナムのフォーにハマってよく食べています。自炊をほとんどしないので、今年は自炊をしていきたいです。たまに自炊をしても、その後何日も冷蔵庫を開けないこともあり反省しています。とにかく電子レンジを買うところから始めようかな(笑)。野菜も使わないなら洗って切って冷凍しておけばいいですもんね。慣れることも大事だと思うので、がんばってみます。

ほかに新しく始めたいことはありますか?

車が欲しいです! 旧車が好きで、先日父と試乗しに行ってきました。ただ、マニュアル車だったので、運転しづらいからと周りから止められています……。欲しい車の型や乗りやすさ、値段などで悩み中ですが、車があれば行動範囲も広がりそうなので、早く運命の車に出合いたいです!

長濱ねる

1998年生まれ。長崎県出身。幼少期、五島列島で育つ。読書家で知られ、エッセイをまとめた書籍『たゆたう』が発売中。『離島で発見!ラストファミリー』(NHK総合)のMCレギュラー出演をはじめ、J-WAVE『NTT Group BIBLIOTHECA ~THE WEEKEND LIBRARY〜』ナビゲーター、NHK・SDGsキャンペーン『未来へ17アクション』PR大使、東京2025デフリンピック応援アンバサダーを務める。’23年7月ドラマ『ウソ婚』(カンテレ)ではヒロインを演じ、’24年1月ドラマ『院内警察』(フジテレビ)に出演など多岐にわたり活躍中。

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Photography_Wakaba Noda(TRON) Styling_Nao Koyabu Hair & Makeup_Nozomi Kawashima(io) Interview_Akiko Takada Text & Edit_Megumi Shimbo