bis

bis

Interview

Interview / 2023.03.26

『おかえりモネ』での演技力で話題に! 女優・蒔田彩珠が辛いときに相談する相手

2023年bisが注目する、無限の可能性を持った女の子にフォーカス。映画『万引き家族』やNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』などに出演し、演技力に注目が集まる若手女優、蒔田彩珠さんにインタビュー。今までのことから、煌めく未来についてたっぷり聞きました。

子役デビューは7歳! 蒔田彩珠さんのこれまで

トップス¥120,000 /ミユキキタハラ 中に着たトップス¥24,970/オウシーナン(ススプレス) パンツ¥10,000 /フレッシュプロダクツ(レインボーシェイク プレスルーム) イヤーカフ¥19,800 /サラース

確かな演技力を武器に活躍する蒔田さん。芸能界に入りたいと思った理由は何でしょうか?

元々兄が先に芸能界でお仕事をしていて、興味を持ったのが始まりです。「テレビに出ることができるんだ」と4歳ながらに思ったのを覚えています。そこから親に相談して、事務所に入り、初めてテレビに出たのは7歳。そのころは遊んでいるような気分で、楽しみながらやっていましたね。

最初は遊んでいるような気持ちだったとのことですが、いつから仕事のへの意識が変わったのでしょうか?

10歳のときです。ドラマ『ゴーイングマイホーム』(フジテレビ系)に出させていただいたときに「これはお仕事だ」と気づきました。それまではただセリフを覚えて演技をして、自分が楽しいという日々を過ごしていたんです。でも、ドラマとなるとみんなで作っていく必要があるということを目の当たりにして、「ここに自分も参加できる! がんばらなきゃ」と強く思いました。当時、なりたい理想像を持っていましたか?『ゴーイングマイホーム』では、半年間撮影をしていたのですが、自分の役とその期間ずっと向き合い続けるというのがすごいことだなって思って。だから私も自分の役と向き合い続ける女優さんになりたいと憧れていましたね。

昨年20歳になった蒔田さん。当時と比べて変わったことはありますか?

20歳になってから、より憧れていたものに近づけた気がします。現場に行っても今までは要望を言われることが多かったのですが、「蒔田さんはどうしたい?」と意見を聞かれるようになりました。そうなったことで、自分も作品を作る一員として重要な役割を果たしていると思うと、信用されているんだと感じます。

子どものころに思っていた20歳と今、想像していたとおりになっていますか?

兄がいるので、そんなに大人だとは思っていませんでした。むしろ想像していたよりも大人になれていると思いますね。なんなら、兄よりも自分のほうが大人だと思います(笑)。

10代のころは何かを抱えているような難しい役柄が多かった印象ですが、最近は等身大の明るい性格の役も多いですよね。

どちらも好きですが、何か抱えているものがある役のほうが、演じる役柄のキャラクターや背景などを深く考えられるんです。なので、ただ明るい等身大の役よりは演じやすいかもしれません。

10歳のときの理想を叶えられたのが『おかえりモネ』

ちなみに、今まで演じてきた役で記憶に残っている役はありますか?

NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』の未知役は記憶に残っています。1年間ずっとその役だったので、10歳のときに思っていた理想像を初めて自分で叶えることができました。

撮影時に楽しかったことはありますか?

年の近い方とたくさん話すことができて、新鮮で楽しかったです。みんなでお笑いの話やおすすめのYouTubeの話とかをよくしていましたね。

では、最も影響を与えた作品は『おかえりモネ』ですか?

はい。『おかえりモネ』の撮影を終えてから、いろいろ自分の中で気持ちが変わりました。今までは言われたことをすることが多かったんですけど、「これからは自分も参加しよう」「大人に交じりたい!」とさらに責任感が強くなったのがこの作品でしたね。あと、大変な撮影期間を終えて帰ったときに母から「自分の意思で続けたいなら続けていいし、どっちでもいいんだよ」と言われて。母が事務所に入れてくれたから芸能活動を始めたので、言われて改めて自分の意思でこの仕事を続けたいと思ったんです。

辛いときはいつもお母さんに相談しますか?

そうですね、悩むとよく母に電話します。子役時代はいつも現場に付き添ってくれていたので、いちばん理解してくれる存在です。ロケが多いとどうしてもホームシックになるんですけど「がんばりなさい」じゃなくて「いつでも帰ってきていいんだよ」って言ってくれる母。逆に「私ががんばらなきゃ」と思うことができます。きっと私の性格をわかったうえでの言葉なんだろうなとは思います。大切な存在です。

蒔田さんは感情の波が乱れたり、疲れてしまったときはどうしますか?

基本は寝たら元に戻ります。なので、しっかりと睡眠時間を確保することぐらいかな。自分の感情はコントロールしやすいかも。逆に気が落ちているときは睡眠時間が足りないからかもしれません(笑)。

お仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。

いちばんは自分が楽しむこと。好きで始めたことなので、がんばりすぎちゃうと疲れちゃう。なので、自分が楽しめる範囲でがんばるのがいいのかなって思います。これはどんなお仕事においても言えることじゃないかな。

尊敬する人はいますか?

是枝(裕和)監督です。どんなところを尊敬しているか、あげるとキリがないですね……。強いて言うなら“余裕”。作品を作る際、私達の意見を尊重しつつ、自分の作りたいものが明確に見えているんです。ほかのカメラマンさんとかスタッフさんの意見もしっかり聞いて、毎回素敵なものを作ってくださる。これって余裕のある方じゃないとできないこと。本当に、是枝監督なら任せることができます! 監督のような余裕のある大人になりたいです。

今もすごく落ち着いていて、余裕のあるオーラも出ている気がします。

本当ですか? でもときどき言われますね。あとはクールだと思われることも多いので「笑うんだ」と驚かれることもあります(笑)。本当はよく笑うんですよ。

蒔田さんがなりたい人や惹かれてしまう人ってどんな方ですか?

それこそ、常に笑っている人! 現場でギスギスしてしまう瞬間ってやっぱりあるんですよ。そんなときでも、ニコニコと冗談を言っているような方ってかっこいい。能天気に見えて、実はいちばん周りが見えているんですよね。本当にすごいです。あと、20歳になって、大人扱いされることも多くなってきたのがちょっと寂しい……(笑)。少女のようなチャーミングな大人になりたいです。

舞台やアクションなど活動の幅は無限大!

これからやってみたいお仕事はありますか?

最近はまた舞台をやってみたいです。以前一度やらせてもらったときは私が最年少だったので、みなさんに可愛がってもらいながら楽しくやっていました。長台詞はまだちょっと難しいけど、楽しい愉快なものがしたいですね。今年できたらいいな〜。

では、やってみたい役柄はありますか?

ずっと言っているんですけど、二重人格とか多重人格の役。ひとつの映画でいろいろな顔を見せる役をやってみたいです! Netflixで配信されている『ラチェッド』に多重人格の女性が出ているんです。可愛かったり怖かったりと、表現力が幅広くてすごくかっこいい! 自分も挑戦してみたいと思いました。あとは『天才スピヴェット』という映画を観たので、ロードームービー系もやってみたいです。

2023年に挑戦したいことはありますか?

すでに始めているのですが、アクション! Netflix配信『忍びの家』を撮影中で、初めてアクションに挑戦しました。正直向いていると思いますね(笑)。普段あまり体を動かしたりはしないですが、やってみたらとても楽しくて。アクション女優になれるかもと、いろんな可能性を感じました。

アクション演技は体力とかも含めて大変じゃないですか?

大変ですね。日々筋肉痛と闘っていますが、楽しいです。スタッフさんから急に「ここ彩珠できるんじゃない?」と無茶振りされてやってみたら案外できちゃう、というのが楽しいですし、信用されている気もしてうれしい!

アクションにまで進出! 可能性が無限大ですが、これからどんなことが楽しみですか?

次に何をするかわかっていないので、果てしなくさまざまな作品に携わっていけることが楽しみです。次はどんな役になれるのか。限られていないっていいですよね。毎日同じことをするわけではないので、日々新鮮。本当に今エネルギーがみなぎっています!

何歳までに「これをしたい!」とは考えないタイプですか?

あまり何歳までに何かをするって考えていません。なので、まずは「今週がんばろう」と言いながら、今を一生懸命生きています!

今を生きる蒔田さんですが、今後も変わらないと思う大切にしていることはありますか?

周りの方がいての自分だということをずっと忘れないように過ごしたいです。このお仕事をしていると自分中心になってしまうこともあるけど、スタッフさんとかに意見を聞かれるようになったからこそ、周りの方がいてのお仕事だと思えます。なので、みなさんへの感謝の気持ちを大切にしながら、お仕事を続けたいです。周りをちゃんと思い続ける人でありたいですね。

蒔田彩珠さんの素顔に迫るQ&A

Q.プライベートで挑戦したいことは?

バイオリンです! ちょうど先日買ったので、本格的にやっていきたいな。ドラマ『カルテット』(TBS系)みたいに役で弾けたらかっこよくないですか?

Q.最近夢中になっていることは?

読書。『絶望名人カフカの人生論』(新潮文庫)を読みました。何かに絶望していた気持ちも、これを読んですっきり。今は力がみなぎっています!

Q.休日は何して過ごしてる?

最近はお料理。揚げ餃子にハマっています。お酒を飲める年齢になったのでおつまみに最高です♡ 母からレシピを教えてもらうこともあります。

蒔田彩珠 Ajyu Makita

2002年8月7日、神奈川県生まれ。子役として活動を始め、ドラマ『ゴーイングマイホーム』をきっかけに是枝裕和監督の作品にも多く出演する実力派。2024年配信予定のNetflix独占配信ドラマ『忍びの家』では長女の凪役を演じる。

あわせて読む

《女優・今田美桜》Snow Man 目黒蓮と共演する映画の舞台裏「お互いに心と心が近づくシーンは印象的」

Snow Man目黒蓮の将来の展望「僕はグループに還元できる仕事しかしない」

日向坂46四期生正源司陽子、デビューのきっかけやオーディション秘話を明かす♡

Photography_Shiori Ota Styling_Miri Wada Hair & Makeup_Karen Suzuki Text_Aiko Ishizu Edit_Megumi Shimbo