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Column / 2019.06.22

女装イベントで青春―“12階から飛び降り”モカの「悩める女子へ…」Vol.2

「私は高校卒業後、18歳のときには新宿2丁目の女装バー、19歳のときには銀座でホステスとして働いていました。20歳でウェブデザイナーとしてIT企業に就職しましたが、会社勤めが合わずに1年弱で退社。そして、自分で女装イベント『プロパガンダ』を始めたんです」

そう語るのは、4月に共著『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』(モカ・高野真吾/光文社)を上梓したモカさん(33)。インパクトのある題名の本だが、約3年前、モカさんはビルの12階から飛び降りた経験がある。男性として生まれ、迷いあがいたモカさんの10~20代とは――?

「銀座のお客様に『デパートメントH』というイベントに連れて行ってもらったんです。『デパートメントH』は“日本最大級のアンダーグラウンドイベント”として知られていて、ドラァグクイーンのショーや女の子同士が服を奪い合い戦う“キャットファイト”などが繰り広げられています。そのイベントを見て衝撃を受けて、自分でもイベントをやろうと決意したんです。それが21歳のとき」

思い立ったらすぐに行動するモカさんは、2カ月ほどで仲間たちと準備を整え、女装イベント『プロパガンダ』をスタート。場所は仲良くしていた新宿2丁目の喫茶店のオーナーが貸してくれたという。

「その喫茶店は50席しかなかったのに、嬉しいことに100人も集まってくれました。ギューギューだったので、次からライブハウスやクラブなど大きなハコでやろうということに。どんどん規模が大きくなり、新宿・歌舞伎町の風林会館のキャバレーの跡地などでも開催。『プロパガンダ』は月1回、9年ほどやっていたので、かなりの回数になりますよね。26歳のときには女装カルチャーを広めたくて、新宿2丁目に『女の子クラブ』という店も作りました。店に常備している女性物の衣装やウィッグ、メイク道具などは自由に使ってもらってOK。経営は基本的に順調でしたし、私の年収もいつの間にか1千万円を超えていました」

モカ

1986年東京都生まれ。経営者、漫画家、元男性のトランスジェンダー。

 

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  • photo

    Kimiko Nakahara

  • text・edit

    Akiko Takada