Interview / 2023.11.17
「モーニング娘。以外になりたいものがなかった」牧野真莉愛が語る、アイドル論
ゲストの人間性に迫るコーナー、カフェ・ド・人間性。今回はモーニング娘。12期メンバーの牧野真莉愛さんにお話を聞きました。どこからどう見ても明るくて前向きな牧野さんですが、思春期にひとつくらい屈折したことはなかったのでしょうか。詳しく聞いてみました。
水野しずと牧野真莉愛の対談が実現!
ゲスト:牧野真莉愛
2012年にハロプロ研修生に加入。その後研修生時代を経て2014年にモーニング娘。12期メンバーとして加入。北海道日本ハムファイターズの熱烈なファンとして知られる。
聞き手:水野しず
聞き手。バイキングで何も食べなかったことがある。著書『親切人間論』ほか。
水野しず(以下、しず): 興味の幅が広いですよね。漫画とかアニメにも詳しいイメージがあります。
牧野真莉愛(以下、真莉愛):見るのも好きだし、描くのも好きです。
しず:絵も描かれますもんね。
真莉愛:上手ではないんですけど、子どものころから描くのが好きでした。
しず:どういう絵を描いていたんですか?
真莉愛『きらりん☆レボリューション』が好きだったので、ずっと描いていました。
しず:ジェネレーションギャップを感じる(笑)。
真莉愛:あはははは。
しず:今でもお休みの日に描いたりするんですか?
真莉愛:今はそこまでではないですけど、コロナ禍にiPadを手に入れたので、そのころはよく描いてましたね。
しず:服の趣味とかも聞きたいなって。子どものころ好きだった服とか。
真莉愛:mezzo pianoが好きでした。母が好きだったのもあるんですけど、ひたすらピンクとか、たまに黒みたいな。ほぼmezzo pianoでした。
しず:じゃあファッションの趣味は、mezzo pianoが好きだったころから変わらずお嬢様系統ですか?
真莉愛:そうですね。もっといろいろな挑戦をしたいなって思うんですけど。だから、『bis』の撮影で幅広いジャンルの服を着られるのが楽しいです。
しず:だからこそ、普段は落ち着いた服装でいいかなみたいなところもあったり?
真莉愛: ワンピースは楽だし可愛いし、あと私、肩幅が広いんですよ。フワフワ系も着てみたいけど、骨格が目立たないものを選びがちかもしれないです。
しず:普段は着ないけど、着てみたい洋服とかってある?
真莉愛: 漫画の『NANA』に出てくるような感じがいいなって思います。
しず:ギャップがいいですね。いかついアーマーリングとか、そういうのをひとつ身につけるだけでもかなりアクセントになりそうですね。
真莉愛:たしかに! そういうのが気になります。
しず:立ち姿がきれいなので、そういう人がパンクな感じだと底知れない魅力を感じられそうですよね。ひまわり畑で手を振っている凜々しいお嬢様に秘められた闇の一面、的な。
真莉愛:あはははは(笑)。
しず:興味の幅が広いですけど、アイドルじゃない職業をやるとしたら、何をしたいとかあるんですか?
真莉愛:え~! 何も考えてないです……。
しず:何でもやれそうだなって思っちゃいますけど。
真莉愛:小さいころは漫画家とかありましたけど、現実的には考えてなかったですし、モーニング娘。以外になりたいものがなかったんですよ。
しず:現実的に考えている職業がモーニング娘。だけだったんですね!
真莉愛:だから、モーニング娘。になっていない姿が想像できないです。学校に行っていたのかなとか。ちゃんと職業を探せているのかなとか(笑)。
しず:自分がまったく想像できない?
真莉愛:はい。この前、つんく♂さんにも言いました。
しず:どんなタイミングで?
真莉愛:そのときの質問が、「アイドルになっていなかったら、みんな恋愛とかしていると思うけど、そういうのがうらやましくないの?」みたいな感じだったんですよ。でも、私は、「逆になっていなかったらって考えると恐ろしいので、なれてよかったです」って伝えました。
しず:想像したこともないんですか?
真莉愛:ないです……だから怖いです。
しず:2年間くらい研修生をしていたんですよね。そこでモーニング娘。に入りたいと思いながら、がんばっていた?
真莉愛:そうですね。研修生はデビューできるとは限らないので、デビューできないまま辞めてしまう先輩達も見てきたんですけど、そのなかで私は、小学6年生から入っていたこともあって、楽しんでやっていた部分もあったと思います。なりたいし、ちゃんと練習もするんですけど、苦痛とかがまったくなくて。怒られたりとかはありましたけど、レッスンに行きたくないとかもなかったですね。
しず:アイドルをやるうえで、苦手なことはない?
真莉愛:ないですね。全部楽しい!
しず:言い切りました(笑)。
真莉愛:歌とかうまくなりたいし、うまくできないこともあるけど、しんどいわけではないです。
しず: 向上心を持って取り組んでいる感じがします。
真莉愛:好きで入ったから、それを仕事にできているだけでも幸せなんです。
しず:本当にモーニング娘。に入れてよかったですね。
真莉愛:はい。私、受験もしたことないんです。
しず:野球とハロプロのことしか知らない人……それで、ときどき発明して(笑)。
真莉愛:そうです(笑)。
しず:トランペットは吹けるんですか?
真莉愛:今、“ソ”まで吹けます。
しず:高い音のほうが難しいんですか?
真莉愛:難しいですね。自分のマウスピースもあるんですけど、毎日練習できていないので完璧じゃなくて。
しず:全部覚えたあかつきには?
真莉愛:応援歌を吹きたいなって思っています。今、『チューリップ』が吹けるかなくらいで……。
しず:吹けるようになるといいですね!
真莉愛:はい!
しず:今日お会いしてみて、とても明るい人だなって感じました。ぜんぜん屈折したところがないです。思春期に「発明クラブ」を経たら、そこで一屈折くらい生じてもおかしくないのに。
真莉愛:どうでしょう? でもたしかに、わりと元気なほうなのかもしれないです。
しず:『bis』のモデルさんって、どこかアンニュイな感じだったり、インドア系の人が多いと思うんですよ。こんなに根底からすべてが明るい人って珍しいです。
真莉愛 : 家では静かなんですけどね。
しず:本当ですか!?
真莉愛:ひとりっ子だし。あ、でも、私がひとりでずっとしゃべってるかも。母に一日のできごとを朝から話すんですけど、受け流されていて(笑)
しず:声もよく通るなぁって。
真莉愛:ごめんなさい、声が大きいですよね。
しず:いえいえ。ハリがある声ってすごくいいなって。
真莉愛:大きすぎて怒られるんですよ。
しず:あはははは(笑)。
真莉愛:外野席で野球の応援をするときは、立ってガッツリ声を出します!
しず:全部が野球の話になっちゃう(笑)。
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