人気声優・内田彩さん、二十歳のときの“胸キュン”相手を告白「今もキュンです！」

『ラブライブ!』のメインキャラクター、南ことり役などで知られる人気声優・内田彩さんが朗読で参加した、bisで連載中の次世代表現プロジェクト「１PICTURE１STORY」第2弾作品『ラブソングを聴きたくなったのは』。このたび公式YouTubeで、内田さん演じる“Voice Recitation Movie #2”が公開されました。

内田彩さんにインタビュー

bis webでもイラストと超短編小説が公開中の同作は、恋愛をうとましく思っていた青年「僕」が、ずっと妹のように思っていた幼馴染「チカ」への恋心に気づく瞬間を描いた、ファーストラブストーリー。「僕」と「チカ」を交互に演じ、しっとり切ない“声の物語”を紡いだ内田さんが、作品への思いと、作中のシチュエーションになぞらえたご自身のエピソードを明かしてくれました。

「このラブストーリーの“語り手”というイメージで、誰がどの視点で聞いてもすんなり入ってくるように、いろいろな受け取り方と想像を広げられる“余白”を持たせて読もう、と思っていました。主人公と語りは男性目線なので、私が無理に男性を演じすぎると不自然に聞こえてストーリーが入って来ないだろうな、と思って特に気をつけました。
イラストとストーリーにもしっかりと裏設定があり、現場では『ココはこういう感情です』『お互いをこう思い合っています』といった指示もあって。相談しながら作品を仕上げていったんです」

同作で「僕」が恋心に気づくきっかけとなったのが、「チカ」のバイト姿を見守るシーン。内田さんにも、高校時代のバイトに大切な思い出があるそう。

「3年間、ファーストフード店でアルバイトをしていました。よく来てくれるお客さんが一言かけてくださるときは、うれしくなりましたね。
その中に海外の方がいたのですが、ある日『引っ越してしまうからもう来れないんだ、いつもありがとう』と、メッセージを書いた紙をくださって。不慣れながらも日本語で書いてくれた、その気持ちがとってもうれしかったんです」

作中でのもうひとつの見どころは、ココアばかり飲んでいた「チカ」が缶コーヒーを飲む姿を見て、大人びた横顔に「僕」が息をのむシーン。描かれていない「チカ」の女心も気になるところですが……。

「私は、あの場面でチカに特別な気持ちはないな、と思いました。というのも、チカにとっては普段の何気げないやりとりといいますか、最近あったことをいろいろ話して笑い合えるのがふたりにとっての“当たり前”で、心地よい時間だと感じているだろうなと思ったからです。
私が同じ立場なら、バイトのことや最近の自分の話を楽しく話したいし、久しぶりに会えたから、ただうれしくてはしゃいでいるかなって。自分はそんな気分なのに、『なんでリツキは遠い目をしてるの……？』って不安な気持ちになりそう（笑）」

一方ラストでは、「僕」が初恋の“胸キュン”に涙する美しいシーンを、彼の不器用さを表現しながら情感たっぷりに演じた内田さん。ご自身の“胸キュン”体験には、「僕」とは違った感触があったそうです。

「相手に、自分の中にない世界が見えたときですね。私が知らない音楽のジャンルに詳しかったり、読んだことのない小説を教えてくれたり、ほかにもスポーツとか車とか洋服とか……あ、スパイスからカレーを作ってたりとか。
作中の『僕』と同じ20歳ぐらいには、私の知らないことを楽しそうに話してくれる人や、その世界で働いている人たちにキュンとしていて。その時期に友達になったギャルの子にも、たくさんキュンキュンしてましたね（笑）。いま彼女はお母さんになって、その姿にまたキュンとしています！」

最後に、1 PICTURE 1 STORYのおもしろいところは？

「楽曲とストーリーのリンクは、すごく素敵だなと思いました。今回はインスパイアソングという形でしたが、これからその続きとして、物語の内容がそのまま歌詞に直通している形や、歌詞の前日譚や後日談がストーリーとして描かれる形も見てみたいな。僕とチカ、2人の物語の変化を知りたくなったんです。
このプロジェクトは、絵や言葉や音楽を通じて、ひとつのストーリーを描いています。きっとひとつの答えはなくて、それぞれに広がる物語を感じてもらえたらうれしいです」

▷▷▷内田さんが読み上げる『ラブソングを聴きたくなったのは』はこちらから

＜PROFILE＞

内田彩（うちだ あや）
7月23日、群馬県生まれの声優・女優。2013年、TVアニメ『ラブライブ!』でメインキャラクターのひとり「南ことり」役を演じて話題に。『けものフレンズ』『不滅のあなたへ』 などの人気作に出演。また『やくならマグカップも』シリーズではエンディング曲も歌いあげ、2021年11月には、第二期の『Canary Yellow』をリリース。