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Mote

Mote / 2023.12.22

愛されたい症候群とは? 特徴や原因とつらいときの対処法を知ろう

好きな人や恋人から愛されたいと願うのは、多くの人にとっては当たり前のことです。

しかし恋人から十分に愛情を受けているにも関わらず、「まだ足りない」「もっと愛されたい」と感じたり、「本当は愛されていないんじゃないか」と不安になったりしてしまう方もいるのではないでしょうか。

そんな方は、もしかしたら「愛されたい症候群」の状態に陥っているかもしれません。

今回は、愛されたい症候群になりやすい経験や性格、陥ったときの症状、つらい症状への対処法を紹介します。

愛されたい症候群
photo:@kemidoll_oo

愛されたい症候群とは?

愛されたい症候群とは、誰かから愛されることを執拗に求めてしまう心理状態です。愛されていると感じられるときにだけ、自己肯定感が得られます。

ただし、これは「愛されている自分」には存在価値がある、といった条件付きの自己肯定感です。裏を返せば、愛されていない自分には存在価値がないと感じてしまうのです。

 

愛されたい症候群に陥ったときに起こること

愛されたい症候群
photo:@__.moonlight121

愛されたい症候群に陥ってしまうと、十分に愛されている状態でもさらに強く愛を求めます。恋愛や友情において、相手を束縛したり、離れることが不安で依存しやすくなったりします。

愛を確認するために「試し行動」と呼ばれる行動に出ることもあるでしょう。「試し行動」とは、本気ではないのに相手を動揺させようとしてわざと「別れる」と言ったり、不機嫌な自分を見せつけて相手の注意を引こうとしたりすることです。

束縛やしつこく愛を確認する行動の結果、相手は重荷や苦痛を感じ、別れや拒絶を選択することが多くなってしまうでしょう。

相手から離れることになれば、さらに不安感、絶望感や孤独感を強く抱き、拒絶した相手により執着したり、別の愛してくれる人を必死に探し求めたりします。

このプロセスを繰り返してしまうこともあるため、愛されたい症候群の方は常に不安や孤独を感じ続けることもあります。

 

愛されたい症候群になりやすい人の特徴

愛されたい症候群
photo:@kananana.t

次に「愛されたい症候群」に陥りやすい人の特徴を挙げます。下記の特徴に当てはまる方は愛されたい症候群になりやすい傾向があるため、あらかじめ対処法などを知っておくとよいでしょう。

 

①自分に自信がない

自分に自信がない人は、他人から受ける愛情によって自分の価値をはかってしまう傾向があります。自分で自分を信じられないので、他者からの評価に自分の価値の基準をゆだねてしまっているのです。

他者から愛されていないと感じると不安になったり、落ち込んでしまったりして、情緒不安定になり、さらに不安感を募らせてしまうこともあります。

 

②承認欲求が強い

承認欲求とは、承認欲求とは他者から「すごいね」「素晴らしいね」と認められたいと感じる欲求のことです。最近ではSNSでいいね!の数を求めるといった状態に表れることもあります。

他者から認められたい欲求が強い人は、「もっと愛されたい」「愛情表現をしてほしい」といった思いが強く、愛されたい症候群に陥りやすいといえるでしょう。

 

③依存的で支配的な性格

相手の行動を常に把握したがる、細かな報告を求めるなど、相手の行動を自分の意のままにコントロールしたいと考える性格も、愛されたい症候群になりやすい特徴です。

相手が思った通りの言動をしてくれることによって安心感や愛情を得られるため、過度な束縛をしたり執拗に愛を確認したりしてしまうのです。

 

④他者を信用できない

十分に愛情を感じられている人は、「もっと愛されたい」などの満たされない気持ちにはなりにくいでしょう。愛されたい症候群に陥る人は、他者から愛されていても愛情を感じ取りにくい特徴があります。

過去に裏切られた経験などがあると、なかなか他者からの愛を信じられず、よりたくさん愛情を受けることを求めてしまうこともあるでしょう。

 

愛されたい症候群の原因となる経験

愛されたい症候群
photo:@tomatomaro_

次に、愛されたい症候群の原因となる経験を紹介します。

 

①幼少期に愛情不足を感じていた

幼少期に十分に愛情を得られなかった、「いい子でいる」「テストで満点を取る」などの条件を達成して初めて親からの愛情を受けられるような環境で育った経験などは愛されたい症候群に陥る要因のひとつです。

幼少期に十分に愛された経験がないと、自己肯定感が育ちません。自己肯定が育たないまま大人になると、他者と関係を築くうえで不安定で依存的になりやすく、愛情を求めがちになりやすいといわれています。いわゆる愛着障害と呼ばれる状態です。

これは、両親や親の代わりになる人たちからの愛情不足やネグレクト、虐待だけによって起こるものではありません。親に愛情が十分にあったとしても、愛情を表現するのが苦手だったり、忙しくてかまうことができなかったり、他のきょうだいに手をとられてしまったりなどが原因となって、本人が愛情不足を感じる状況があった場合にも起こりえます。

 

②他者を信用できなくなった

愛されたい症候群photo:@kemidoll_oo

まわりの人を心から信頼できなくなってしまうようなトラウマがあると、愛されたい症候群になりやすいといわれています。たとえばいじめなどが原因で、他者を信じられなくなったり、自信を失ったりした経験も要因のひとつです。

誰かが仲よくしてくれていないとまたいじめられてしまうのではないか、愛情をかけてもらえないと孤独になってしまうのではないかといった、過去に経験した孤独や不安がフラッシュバックしてしまう場合があるのです。

 

③過去の恋愛で傷ついた経験がある

ひどいフラれ方をした、恋人に浮気されてしまったなど、過去のつらい恋愛経験も愛されたい症候群の原因となりやすいです。

今愛情表現がされていたとしても、過去の経験から「また同じことをされるかも」「裏切られてしまうかも」と不安になり、さらに愛情を求めることがあります。

二度と悲しい思いはしたくないと感じる防護的な心理と、過去の経験と同じことを繰り返してしまうかもしれない不安感の両方が、「愛されていることを確認して安心したい」という考えや行動につながる原因です。

 

満たされない気持ちを解消するためにできること

愛されたい症候群
photo:@sk__pyon

不安感や孤独感を抱え、満たされない気持ちのまま過ごすのはとてもつらいことですよね。つらさを少しでも軽くするために心がけたいポイントとしては、以下のようなものが挙げられるでしょう。

 

①あるがままの自分を愛する

あるがままの自分を自分で愛しましょう。誰かの愛を求めるのは、あるがままの自分を愛すことができていないからでもあります。

立派であること、何かをなし遂げること、頑張っていることなどが自分を愛する条件になってしまってはいませんか?

人間は誰しも完璧ではありませんが、それこそが人間らしく、けなげなあるがままの姿です。まずは欠点がある自分の存在を愛おしく思うことから始めてみるとよいでしょう。

 

②感謝の気持ちをもつ

誰かから愛されたり、大切にされたりしたときに疑いをもつのではなく、感謝の気持ちをもって表現できるようになるとよいでしょう。

どれだけ愛を表現しても、大切にしても、まだ足りないといわれたり、疑うような態度をとられたりした相手は悲しい気持ちになってしまいます。

過去の経験やトラウマは簡単に消えるものではないので、疑いの気持ちがわいてしまうのは仕方がないことです。しかしそれを相手に伝えるのではなく、「愛してくれてありがとう」「大切にしてくれてありがとう」と喜びを表現してみてください。

相手は愛情を受け取ってもらえたことがうれしくて、もっと愛情を表現しもっと大切にしたいと考えるようになり、お互いに愛情がより深く感じられるようになるでしょう。

 

③愛情豊かな物語に触れる

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photo:@tomatomaro_

愛情豊かな人が登場する映画、物語に触れましょう。世界には愛情豊かな人がたくさんいます。友達想いの人、困難がありながらも愛し続けた人などの物語は小説になったり、映画になったりしています。

あなたがまだ出会えていないかもしれない、愛情豊かな人がいることを知りましょう。次に出会う友達や恋人は愛情豊かで、あなたにもたくさんの愛情を注いでくれるかもしれません。

ただし、いくら愛情豊かでも、しつこい愛情確認や束縛があるとつらくなって去ってしまいます。他者の愛情を信じられるようになるためにも、素敵な物語に接して愛を受け止める準備をしておきましょう。

 

④専門家に頼る

孤独感、不安感が強く、相手への依存、束縛が止められない場合は、心理カウンセラーや心療内科を頼ることが解決手段となることがあります。

心理カウンセラーは幼少期からある愛着障害やいじめ・失恋のトラウマにアプローチすることができます。心療内科の医師は薬によって不安感や孤独感を和らげることができます。

相性がありますので、最初に出会った心理カウンセラーや医師が期待通りでなくてもあきらめないことが大切です。複数のカウンセラーや医師に会って、自分と相性のいい人を探すのがコツです。

 

あなた自身を認めることが「愛されたい症候群」克服につながる

愛されたい症候群
photo:@__.moonlight121

愛されたい症候群の人は、強く愛を求め、愛情をかけてもらうことで自分の価値をはかってしまう傾向があります。

しかし、あなたはあるがままのあなたで十分に愛すべき存在なのです。誰かからの愛情や努力した経験などがなくてもよいことを覚えておきましょう。

まずは、あなた自身を認め、愛すことから始めてみてください。ただし、心がけだけでは解決に結びつかないこともあるため、専門家を頼ることが突破口になる場合もあります。

 


 

教えてくれたのは……一般社団法人<芙和せら>心理研究所 芙和せら先生

物欲がない_監修者様画像

心理カウンセラー歴38年(公認心理師、シニア産業カウンセラー、芸術療法士、フラワー心理セラピスト、子ども花育セラピスト)。誰もが気軽にカウンセリングを受けられる社会にしたいと考え、花、色彩心理、ハーブなど親しみやすい切り口の心理療法を開発。学術的なエビデンスを得ている。一般社団法人<芙和せら>心理研究所 所長。花と心の学校/ハートステップ・カレッジ 代表。

一般社団法人<芙和せら>心理研究所

ハートステップ・カレッジ

 

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