Lifestyle / 2024.06.17
胃に優しい食べ物を徹底解説! 消化のよい食材を使ったおすすめメニューや食べ方のコツも紹介
学業や仕事のプレッシャーなどから、胃の調子が優れないという人はいませんか? ストレスフルな生活は胃の調子にも悪影響をおよぼしかねません。
胃腸に負担をかけないよう、胃に優しい食べ物を普段の食事に取り入れましょう。今回は胃に優しい食べ物の選び方や、消化のよい食材でつくるおすすめメニューについて紹介します。
胃に優しい食べ物の選び方
胃の調子が優れないときは、胃腸の負担を減らすために消化のよい食べ物を選ぶことが大切です。具体的には脂っこいものではなく、食物繊維が少ない食べ物がおすすめです。まずは具体的な食べ物について確認していきましょう!
主食
主食とはご飯やパン、麺類などの炭水化物を主としたエネルギー源になるものです。主食を選ぶときは、やわらかくて消化しやすい食べ物が適しています。
ただし惣菜パンや菓子パンなどは脂質が多く含まれていることがあるため、シンプルな食パンやロールパンなどを選びましょう。
主菜(肉や魚など)
主菜とは肉や魚、大豆製品などのたんぱく質を主とした料理のことです。たんぱく質は粘膜の再生に欠かせない栄養素です。たんぱく質の供給源となる胃に優しい食べ物を選んで、しっかりと栄養を補いましょう。
魚介類ならたらやカレイなどの白身魚、肉類なら鶏のささみや皮を取り除いた鶏肉などがおすすめです。ただし、肉や卵などは加熱しすぎると消化が悪くなるため、硬くなりすぎないよう注意しましょう。
副菜(野菜など)
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副菜とは野菜や海藻類、きのこ類などを使った料理で、ビタミン・ミネラル、食物繊維の供給源になります。ただし、ごぼうやれんこん、たけのこなどの繊維質の野菜は消化に時間がかかるため、控えたほうが無難です。食物繊維が少ない大根や人参、キャベツ、白菜などを選びましょう。
またβ-カロテンは胃の粘膜を修復するはたらきがあり、ビタミンUは胃酸の分泌を抑えて胃の粘膜を保護する役割があります。β-カロテンは人参やかぼちゃ、ほうれん草などに多く含まれています。
ビタミンUはキャベツやアスパラガスなどに豊富に含まれているため、食材を選ぶ際の参考にするとよいでしょう。
デザート
胃の調子が優れないときは消化のよいフルーツや缶詰などを活用しましょう。口当たりのよいゼリーやヨーグルトなどもおすすめです。
冷たいものは胃に負担がかかるため、冷蔵庫から取りだして常温になるまでしばらく置いておくのもポイントです。すぐに食べたいときは少量に留めましょう。
胃の調子が悪いときに避けたい食べ物
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胃に負担をかけないために、避けたい食べ物もチェックしておきましょう。好きな食べ物でも一時的に食べないようにすることで、胃の不調を和らげることが見込めます。ここでは避けたい食べ物について解説します。
食物繊維が多い食べ物
食物繊維が多い食べ物は消化吸収スピードが緩やかなので、腸が疲れやすくなってしまいます。特に、食物繊維が多いごぼうやさつまいも、れんこん、きのこ類、海藻類などは控えましょう。
またドライフルーツは生の果物よりも食物繊維の割合が増えやすいので、避けることをおすすめします。
脂質が多い食べ物
ラーメンやパスタなど脂質が多い食べ物も、消化吸収に時間がかかるため胃に負担がかかります。揚げ物なども同様に油を多く使うため、控えましょう。胃に優しい食べ物でも、調理法によっては胃もたれの原因になるため注意が必要です。
刺激の強い食べ物
刺激の強い食べ物を食べると、胃酸の分泌が増して胃の粘膜にダメージを与えてしまいます。こしょうやとうがらし、カレー粉などの香辛料は控えた方が無難です。
煮豆やまんじゅうなどの甘みの強いものも胃にとっては刺激が強すぎます。酢の物や柑橘類(みかん、オレンジなど)も控えるようにしましょう。
胃を刺激する飲み物
コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインを含む飲み物はおすすめできません。冷たい飲み物や炭酸飲料なども胃を刺激するため避けましょう。温かい飲み物やノンカフェインの麦茶やルイボスティーなどがおすすめです。
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簡単にできる! 胃に優しい食材を使った時短メニュー
胃に優しい食事のポイントは、食材をやわらかくすることです。ここでは簡単にできる胃に優しいメニューを紹介します。
煮込みうどん
大根や人参など、食物繊維が少ない野菜をたっぷり入れて煮込みうどんは、消化に優しいメニューです。炭水化物が多くなりがちなので、卵を加えてたんぱく質も補いましょう。煮込みうどんにすれば1品で栄養を補えるので、食欲がないときにもおすすめです。
ポトフ
人参、玉ねぎ、キャベツ、じゃがいも、鶏肉などを食べやすい大きさにカットしてから鍋で煮込めば、簡単に栄養満点の料理がつくれます。圧力鍋を使えば調理時間も短縮できます。塩こしょうで味付けをして素材の味を楽しみましょう。
ふんわりとろみスープ
鍋に鶏がらスープの素としょうゆ、生姜、片栗粉をよく混ぜてから火にかけて、とろみがついたらカットした豆腐を加えてひと煮立ちさせます。
強火にしてから溶き卵を加えて完成です。とろみがついているので、体も温まりやすくなります。生姜には消化を促す作用もあるため、胃もたれ防止にも役立ちます。
つくるのが面倒なときのコンビニ活用術
胃の調子が悪いときは、食事をつくるのも億劫になりがちです。そんなときはコンビニを上手に活用して胃に優しい食べ物を選択しましょう。おすすめの食べ物は以下のとおりです。
うどんのトッピングにネギや生姜などの薬味をプラスするのもおすすめです。これらの食材には体を温めるはたらきがあり、免疫力を高める効果も期待できます。
大根おろしがたっぷり入った鶏肉のみぞれ煮も、たんぱく質と消化酵素のアミラーゼが同時に摂れる胃に優しい料理です。
胃に優しい食べ方や調理のコツ
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胃に優しい食べ物を選ぶことも大切ですが、食べ方も意識すると胃の負担を軽減しやすくなります。ここでは胃の調子が優れないときの食べ方のコツや調理のポイントを紹介します。
生野菜より温野菜を選ぶ
胃の負担を軽減するために、生野菜よりも加熱してやわらかくした野菜を選ぶことをおすすめします。温野菜は生野菜に比べて消化吸収がよく、体を冷やしにくいのが特徴です。野菜を加熱するとカサも減るので、野菜をたくさん摂りたいときにもおすすめです。
具材は小さく切る
食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまうと、消化に時間がかかってしまいます。あらかじめ食材を小さくカットしてから調理すると、消化をサポートできます。茹でたささみをほぐしてから、スープに加えても問題ありません。
やわらかく煮る
油を極力使わない煮込み料理などをメインにすると、胃の負担が軽減できます。揚げ物や炒め物ではなく、蒸す、茹でる、煮るなどの調理法を選ぶのがおすすめです。
じっくり煮ることで野菜本来の甘さも引き立ちます。煮込み料理は時間とともに味がなじみやすくなるため、おいしく食べられるのもポイントです。
ゆっくりとよく噛んで食べる
早食い傾向がある人は、ゆっくりよく噛んで食べるようにしましょう。唾液の分泌が増えやすくなり、消化をサポートするメリットがあります。
また急いで食べると満腹感を得にくくなるため、食べ過ぎにつながるおそれがあります。一口食べたら箸を置くようにするなど、ゆっくり食べるための工夫をするとよいでしょう。
生活習慣を整えることも大切
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胃腸が弱っているときは、体のメンテナンスが必要な時期なのかもしれません。この機会に普段の生活習慣を見直して、元気でいられる体づくりを目指しましょう。
規則正しい食生活を心がける
胃の調子を整えるために、栄養バランスのよい食事を規則正しく食べることを意識しましょう。暴飲暴食は胃に大きな負担となるため、腹八分目を心がけることも大切です。
また、胃に優しいお粥やうどんだけに偏りがちな人は、主菜や副菜なども意識して食べることで、栄養バランスが整いやすくなります。
十分な睡眠
自律神経が乱れて胃のはたらきが低下すると、食べ物を消化しにくくなるため注意が必要です。良質な睡眠を心がけ、自律神経のバランスを整えましょう。
リラックスして過ごすことで心身の疲れが和らぐとともに、寝ている間に成長ホルモンが分泌されて細胞の修復につながります。
適度な運動
ストレスが溜まりやすい人は、運動などで気分転換を図ることもおすすめです。ストレスは胃のはたらきを低下させる要因になりかねません。胃の健康を保つためにも、ウォーキングやヨガなどを楽しみながら取り組んでみてはいかがでしょうか?
胃に優しい食べ物を選んでお疲れ気味の体を労ろう!
胃の調子が優れないときは、消化によい食べ物を選ぶことが大切です。やわらかいごはんや煮込みうどん、白身魚や脂肪分の少ない肉類、卵や豆腐などがおすすめです。
忙しいときはコンビニなども上手に活用しながら、無理なく胃に優しい食生活を心がけましょう。ただし、胃の調子がなかなかよくならないときは、病院への受診を検討してください。
この記事を書いたのは……管理栄養士 下田由美さん
管理栄養士。約10年間、病院・施設・保育園で幅広い年代の「食と健康」に携わってきた。
その中で「食」と「心」は密接に関係していると気づく。現在は、「食はココロとカラダを元気にする」をモットーに管理栄養士ライターとして活動中。健康や栄養に関する記事執筆や監修、レシピづくりなどを行っている。