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Interview

Interview / 2025.07.29

【AKB48 19期研究生・伊藤百花】女優からアイドルへ「歌って踊るってすごく体力も精神力も必要」

ゲストの人間性に迫るコーナー、カフェ・ド・人間性。聞き手・水野しずがAKB48の19期研究生・伊藤百花さんにお話を聞きました。アイドルになる前は女優として演技の勉強をしていた百花さんですが、アイドルには強い思い入れがあるそうです。

水野しずが伊藤百花に聞く!

ゲスト:伊藤百花

’24年3月にAKB48の19期研究生として加入。’25年2月に『bis』年間レギュラーモデルに決定。趣味は落語と読書。

聞き手:水野しず

聞き手、イラストレーター。

水野しず(以下、しず):普段、どういう系統の私服を着ることが多いですか?

伊藤百花(以下、百花):白とか薄いピンクが多いです。

しず:イメージにぴったりですね。

百花:カジュアルガーリーがいちばん好きです。でも最近はガーリーすぎない、大人っぽいきれいな感じを目指していて。

しず:韓国系とか、きれい系と可愛い系のどっちのテイストも似合いそう。

百花:ありがとうございます! それを目指してます。

しず:いつごろからおしゃれに興味を持つようになったんですか?

百花:中学生のころからお洋服は好きでした。当時は母に買ってもらってたんですけど、母の着せたいものと好みが違ったりして、高校生になってからは自分で買いに行くようになりました。私はフリフリがついているような洋服が好きなんですけど、母はシンプル系が好きで。でも自分で買うようになってから、もっとお洋服が好きになりましたね。

しず:そのころからモデルのお仕事とかに憧れがあった?

百花:モデルさんはずっと憧れていました。中学生のときには、キッザニアのモデル体験をノリノリでやっていたくらいです(笑)。

しず:小さいときから興味があったんですね。

百花:当時は女優を目指して演技の勉強をしていました。舞台に出演したりして。

しず:どういう舞台に?

百花:私と同じ中高生くらいの女優さんが集まってやっている劇団で、ヤンキーの役をやったりもしましたね(笑)。

しず:多分、今までの人生で百花さんはヤンキーになったことがないと思うんですけど、どうやって役作りをしたんですか?

百花:その役が本当に悪いヤンキーで……。

しず:ヤンキーってだいたい悪いですけどね(笑)。

百花:あははは(笑)。その役は裏で悪いことをしてるヤンキーで、最初に台本を見たときはぜんぜん想像がつかなかったです。だから、その子がそこへ行き着くまでの人生を考えようと思って。金属バットを持っていじめをしているような役でした。

しず:それは難しいですね。

百花:だから、自分でノートにその子の生まれてからの年表を作りました。それで、どうしてヤンキーになるのかを考えて。

しず:ストイックですね。それで、いい感じにできたんですか?

百花:はい! いろんな人に「合ってるね」って言ってもらいました。

しず:ほかにはどんな役を?

百花:尾崎豊さんを愛してやまない女子高生役。そのときは尾崎豊さんに詳しくなかったので、曲をたくさん聴きました。演じたことによって、今は尾崎豊さんが大好きになったんですよ!

しず:どこを好きになったんですか?

百花:生き様というか。光もありつつ、影があるところに惹かれました。

しず:共感した曲はある?

百花:『シェリー』がすごく好きです。尾崎豊さんにとって大切な何かがあったと思うんですけど、そこにすがっている感じに惹かれました。

しず:さっきの本当に悪いヤンキーも、欠けている部分があるじゃないですか。百花さん自身も、欠けている部分に何かを求めていたりするんですかね?

百花:私はないかもしれないです。ネガティブになっても、すぐに切り替えられる性格なので。欠けているところを「いいじゃん」って思っちゃう。だから、欠けている部分を演じるのが苦手。演じるときはネットでいろいろ検索します。

しず:病んでしまうこともない?

百花:失敗して落ち込むことはすごくあるけど、落ち込んでもすぐに立ち直ります。

しず:そうなんですね。演技の勉強を始めたきっかけは?

百花:中学2年生のときにスカウトしていただいて。それまでもスカウトはあったんですけど、母が「小さいうちは勉強させたい」と思っていたようで、お誘いを断っていたみたいです。

しず:自分ではやりたい気持ちがあった?

百花:はい。3歳からバレエをやっていて、人前に立つことが好きだったので。芸能とかそういうことまではわからなかったですけど、キラキラしていることに憧れていました。その後、『Seventeen』さんのイベントに行ったときにスカウトしていただいて。そのオファーがあったのと、そこで自分の熱意を親に伝えて、親も「やっていいよ」って。

しず:女優からアイドルになりたいって思ったきっかけはあったんですか?

百花:舞台をやっていたときにアイドルさんにお会いしたのですが、歌って踊る姿がキラキラしていて、輝きがすごいなって。そこから追いかけるようになって、自分もそのキラキラから幸せをもらうようになりました。当時、演技に行き詰まっていたんですが、そんなときにも元気や勇気をもらって。

しず:そこで百花さんが感じた「キラキラ」の源泉ってなんでしょう。アイドルをやってわかりましたか?

百花:やっぱりステージで歌って踊るってすごく体力も精神力も必要で、そのがむしゃらに一生懸命やってる姿が、いちばんキラキラして見えるのかなって。

しず:その場にかける情熱とか。

百花:AKB48に入ってからも、先輩を見ていてすごく感じます。

しず:「輝いてやるぞ!」みたいなオーラって、どうしたら出せるんですかね。

百花:そのステージにかける思いだったり、覚悟だったり。何もなければ、輝いては見えないと思うので。あと、AKB48は人数が多いので、その中で見つけてもらえるようにと、各メンバーが大きく動いてるのを見て、それがすごくいいなって思います。

しず:女優さんは、いったん自分を透明にして役を表現していく要素が強いと思います。でも、そうじゃなくて、「今ここに私がいるよ!」って強く叫びたかったんですね。

百花:確かに、演技は自分を消すので、かつては自分がわからなくなってしまった部分もあると思います。

しず:がんばってそこで表現して人の目を引くこともできると思いますが、百花さんの中で何か足りなくなっちゃいそうだなって、話していて思いました。

百花:それはあるかもしれないです。

しず:その場で感じた気持ちをダイレクトに出したいですか。

百花:そうですね。感情は出したいタイプです。

Artwork&Interview_Shizu Mizuno