bis

bis

Interview

Interview / 2025.03.29

中島健人のストイックすぎる遊び心「苦労をすべて作品に反映できちゃう」

周りにハッピーでポジティブなパワーを与えてくれる、中島健人さんが再登場。昨年、待望のソロデビューを果たし、まだ見ぬ理想の自分を目指し日々更新し続ける。ストイックすぎる、彼の遊び心をチェック!

中島健人さんにインタビュー

2025年春号増刊表紙 中島健人

3年ぶりの登場です。撮影はいかがでしたか。

またカムバックできてうれしいです。顔がむくまないように前日の夜食を抜いて、心して臨みました。スタイリングはどれも素敵で僕好みでしたね。特に淡いグレーのワイドパンツのスタイリングは、コケティッシュでありながらノーブルな感じで最高でした。白いタンクトップにニットをレイヤードしたスタイリングは、もうちょっと女性っぽくなるのかなと思ったけど、腕が出たことによってむしろ男っぽくなりましたね! すごく楽しかったので、この撮影で改めて自分はファッションが好きなんだなって感じました。

今号のテーマは「Playful」です。遊び心とはどんなものだと思いますか?

ポジティブに聞いてほしいんですが、僕は自分に起きた悔しいことや悩んだこと、意見をさえぎられてしまったことなど、苦労をすべて作品に反映できちゃう人なんです。それが僕の遊び心。「幸せから芸術は生まれない」っていう信念もあるぐらい。僕はリハにすごく時間をかけたり回数を重ねるんですが、キタニタツヤとは「健人さんどんどんやりましょ~」「かかってこいよ」みたいな感じで、ドM同士がどんどん気持ちよくなってしまって、延々続けてしまったり(笑)。筋トレもそう。辛いんだけど、重量を上げたとき超気持ちよくて。筋繊維ができあがり、筋肉という芸術を生み出してくれる(笑)。そういうことも全部プレイフルに楽しんだほうが人生面白いんじゃないかな。ピンチをチャンスに変える、みたいな。そういう意味では僕ってなかなか面白い人生を歩んでいるかもしれない。去年もめちゃくちゃ考えて、賛否両論あるなかで戦い抜いた1年でした。でもそれを作品にしてみたら、意外といいものができたのかな。キタニからは「曲を作るうえで自分の経験だけを形にするのは体に毒かも。それやりすぎると心がなくなります」って言われちゃいましたけど(笑)。

「今年はいろんなものが大きく動いていく年でもあると思う」

最近気になっているエンタテインメントはなんですか?

自分自身の現在のエンタテインメントの力量とこれからどこを目指していくべきか、何をとらえていくかっていうのをすごい考えました。真田(広之)さんがプロデュースと主演を務めるドラマ『SHOGUN 将軍』がゴールデングローブ賞やエミー賞を受賞したりと、世界は“和”に注目していますよね。昨年9月、COACHのファッションショーでNYに行ったとき「アニメの主題歌を聴いているよ」ってアジア圏のゲストの方々に言われたんです。そんなことを言われたのは今までなかったので、僕自身ももっと日本を学ばなければいけないなと思いました。ドラマの撮影で1カ月間ローマに滞在したときは、ドイツ人の共演者に「健人のお気に入りの和を教えて」と言われたり、フランス人の共演者に「健人、わたしもお寿司が食べたいのよ」って熱望されたり“和”に対する注目度の高さも感じました。今後の活動では、“和”を意識しつつ表現していきたいなと考えています。

“和”のなかで特に好きなもの、興味を惹かれるものは何ですか?

もともと日本の歴史が好きで、特に戦国時代が好きです。僕は武田信玄と上杉謙信のライバル性が好きだったし、川中島の戦いに興奮しました。次は芸術を学びたい。葛飾北斎などの浮世絵シリーズとか、昔の日本人がどういうルーツやプロセスで知的財産を生み出したのかを探ってみたいです。今年はいろんなものが大きく動いていく年でもあると思うので、“和”に対しての準備ができたらいいな。

実際に“和”を取り入れた作品はありますか?

去年リリースした『ピカレスク』のトラックに、若干ですが琴の音が入っているんです。ほんの少しですが、さりげなくジャパネスクを仕込んでみました。

ここ1年で音楽などに対する考え方は変わりましたか?

去年はものすごいスピード感でいろいろなエンタテインメントに関わりました。音楽の作り方、ステージ上のパフォーマンスや表現することへのストイック性など、1年でギュッと経験しました。自分で音楽を作ることも多くなり、締め切りって言葉にもすごく追われました。新たな仲間との出会い、新たな環境で生き抜いていくことなど目まぐるしかったです。自分のなかの完成度を追求するためには、ストイックにより多くの練習量が必要になる。そうなるといろいろなステージ経験のあるパフォーマー達と過ごす時間も増えて、自分の視野も急速に拡張されていきました。日本から海外に対してどんなふうにアプローチするのが正解なんだろうって考えたり。日本のエンタテインメントの世界ってファンの方々に支えられていて、すごくあたたかいじゃないですか。でもそれに甘えちゃいけない、あらゆる場所に作品を届けるための研鑚をしないといけないな、と思っています。

中島健人

’94年3月13日生まれ、東京都出身。’11年11月、Sexy Zoneのひとりとしてデビュー。昨年3月Sexy Zoneを卒業し、4月からソロ活動をスタート。キタニタツヤとのユニットGEMNを結成し、テレビアニメ『推しの子』第2期オープニング主題歌『ファタール』を配信。12月25日にはソロデビューアルバム『N/bias』をリリース。