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Interview

Interview / 2025.03.07

【中島健人】桐谷健太との共演シーンで「ぐしゅぐしゅに泣き散らかしました」主演映画を語る

周りにハッピーでポジティブなパワーを与えてくれる、中島健人さんが再登場。昨年、待望のソロデビューを果たし、現在は主人公を演じた映画『知らないカノジョ』が公開中。「感情移入しすぎた」と話すこの作品について、撮影でのエピソードや中島さんの思いを聞きました。

主人公を熱演「最もイノセントな気持ちで演じられました」

2025年春号増刊表紙 中島健人

公開中の主演映画『知らないカノジョ』で主人公の神林リクを演じていますが、撮影はいかがでしたか?

撮影が去年の3月末~5月だったんです。自分の再スタートのタイミングだったので、最もイノセントな気持ちで演じられました。このときの自分の心情が、揺れ動くリクの気持ちとリンクしていたと思います。今自分が素直になって、リクとして自然な感情をこの映画で見せられなかったら一生後悔するだろうなって。でも今の自分だったら、またちょっと違う感覚でいけるのかなとも思っていて。そしたら、台本に書いていないシーンでも号泣しちゃいました。ちゃんと心から脚本を感じられたのかもしれない。

リクとの共通点はありましたか?

共通点しかなかったですね。僕の素ってあんな感じかもしれないです。特に何かひとつのことにとりかかるとほかが見えなくなってしまうところ、まさに自分です。ある日、18時半に仕事が終わって、19時くらいからちょっと曲を作らなきゃなってはじめて「まあこんなもんかな」って終わりにして時計を見たらまだ8時だった。「なんだ、1時間くらいしかやってなかったのか」ってよく見たら次の日の朝だったってことがあるんです。やばいですよね。映画では、リクが"蒼龍戦記”という小説を書いていて締め切りに追われているとき、ミナミに冷たくしてケンカになっちゃうんだけど「それはわかってほしい」って思いました(笑)。のめり込んでいるときや焦っているときはどうしようもないんですよね、ほんと。

先輩役の桐谷健太さんとの関係性もとてもよかったようですね。

心優しい先輩・梶原役の桐健さんとは、映画『ラーゲリより愛を込めて』での共演以来、とても仲よくしてもらっていて、プライベートのことも包み隠さず話している方です。なので、桐健さんとのシーンは感情がこみあげてきてしまって、いわゆる頬を伝っていくようなきれいな涙ではなく、ぐしゅぐしゅに泣き散らかしました。さっきの話に戻るんですが、桐健さんにも「幸せだと芸術は生まれない」っていう話をしたときも「そんなことないで。何でそんなふうに思うねん」って真剣に向き合ってくれて。翌日にも連絡をくれて「昨日のことなんやけど、俺はこうやと思う。だから健人がんばろう」ってちゃんとフォローをくれる。なんて優しい人なんだって感動したし、梶原先輩そのものなんですよね。

撮影を終えて思うこと「作品のなかに自然に入り込めた」

相手役のミナミを演じたmiletさんは映画初出演でしたね。

初めての演技だなんて思えないほど、自然体でしたね、涙も美しかった。そして運動神経が抜群なんです。ふたりで走るシーンがあるんですけど、めっちゃ速かった! 僕は男性でも女性でも関係なく自分と競ってくる人に対してはライバル視するので、「負けないから!」と思いながら戦います(笑)。なので、そのシーンはふたりで全速力で走っていました。

撮影現場で印象に残ったことはありますか?

夜の大学での撮影ですね。自分は仕事があったこともあり、日が落ちて誰もいないような時間に大学にいることがなかったので新鮮だったし、校舎が素敵でしたね。あと、ミナミの祖母役の風吹ジュンさんの私服がとにかく可愛かったんです。靴は最新のダッドシューズを履いていて「ギャルなの?」ってぐらいキュートでした。撮影の合間には、映画やドラマの今までの思い出話を聞かせてくださり、とても興味深かったです!

できあがった映画を観た感想はどうですか?

初めて客観視できない作品でした。撮影期間中、感情移入しすぎて台本にない感情がいっぱい溢れ出た作品だったので、試写を見ても、主観でしか見ることができなかった。本当の素の自分が切り取られすぎていて、恥ずかしかったんです。まんまと三木(孝浩)監督ワールドに入り込みましたね。自分の外連味みたいなものがまったくなかった。メインビジュアルの写真も普段公式に見せている中島健人感はまったくなく、プライベートな友達と飲みに行って「じゃあ撮ろうぜ」って気を抜いているときの自分が写ってる。映画本編もそう。作品のなかに自然に入り込めたことは役者をやるうえでは大事なことだと思うし、それが正解なのかもしれない。なので、この作品に出合えたことが自分にとってとても大きなものになりました。

中島健人

’94年3月13日生まれ、東京都出身。’11年11月、Sexy Zoneのひとりとしてデビュー。昨年3月Sexy Zoneを卒業し、4月からソロ活動をスタート。キタニタツヤとのユニットGEMNを結成し、テレビアニメ『推しの子』第2期オープニング主題歌『ファタール』を配信。12月25日にはソロデビューアルバム『N/bias』をリリース。

Information

映画『知らないカノジョ』全国公開中

©2025『知らないカノジョ』製作委員会

恋愛映画の名手・三木孝浩監督の最新作。大学時代にお互い一目惚れして結婚した神林リク(中島健人)とミナミ(milet)。それから8年、リクは人気小説家になり、ミナミは歌手の夢を諦めていた。ケンカした翌朝、リクが目覚めると、自分は、作家ではなく文芸誌のいち編集部員となり、ミナミは、大スター“前園ミナミ”として活躍する世界になっていた。何とか元の世界に戻そうと奮闘するリクだが……。

出演/中島健人、milet、桐谷健太 配給/ギャガ