Interview / 2023.11.11
King & Prince永瀬廉にとって正義とは「人の意見や考え方を否定しないこと」
King & Princeのメンバーとしてだけではなく、俳優としても目覚ましい活躍を見せる永瀬廉さんにインタビュー。主演を務める映画『法廷遊戯』の役作りや共演者とのエピソードなど、舞台裏を聞きました。さらに、永瀬さん自身の“友情”や“正義”についても語っていただきました。
主演映画『法廷遊戯』で弁護士役を熱演
主演映画『法廷遊戯』では弁護士·久我清義を演じていますが、役作りはどうされましたか?
裁判の雰囲気や空気感、緊張感などを肌で感じたいという思いがあったので、撮影に入る前に裁判を傍聴させてもらいました。実際に行ってみると想像以上に荘厳な雰囲気があって、背すじが伸びるような空気感や緊張感に圧倒されました。被告人の様子や弁護士の方の動きなどをよく観察して、裁判というものはこういうものなんだということをしっかりと目に焼き付けました。あとは(深川栄洋)監督に「清義の感情をどうやって出していくのがいいのか、シーンごとに相談させてください」とお願いして撮影に挑みました。
監督とよく話されたそうですが、演出で印象に残っていることはありますか?
「息遣いを大切にしてほしい」と要所要所で言われました。過去を背負って生きている清義の、目の前が見えなくなるような挫折感、状況が変化していくのについていけずに、雲の上を歩いているような地に足が着いていないような感覚。ちゃんと歩いていられているのか「そこを息苦しさとして表現してほしい」と何度も言われたのを覚えています。
清義を演じるときに大切にしたことは何ですか?
清義は正義感がとても強く、大胆な行動を起こす性格でもあったんですが、幼少時に知ってしまった大人の汚い部分を目の当たりにして、人を信じられなくなったり、幼なじみの美鈴(杉咲花)と犯してしまった過ちによって歪んだ性格になりつつありました。そこで馨(北村匠海)に出会って、清義自身が知らなかった真相を突きつけられたときに、感情が二転三転、それ以上に変化していくんですが、その感情の出し方、細かいグラデーションなどを意識して演じました。とてもむずかしい作業でしたね。
北村さんとは、久しぶりの共演ですが現場ではどんな雰囲気でしたか?
同世代でもあるので、同窓会的な感じのノリもありましたね。今回は重いテーマの作品ですが、現場では変わらず撮影のセッティングを待っている時間に話していました。匠海くんとは5日間しか一緒ではなかったんですけど、珈琲を差し入れしてくれたんです。おいしくいただきました。プライベートでも、家でゲームをしたりする仲なんですけど、実は匠海くんに似ている友達がいるので、僕は勝手に親近感がわいているんです(笑)。顔が似ているんですよね、特に目がそっくり。匠海くんがふたりいるみたいな感覚、それぐらい似ています。
友情を感じたとき「遅い時間に会いに来てくれた」
清義と美鈴は固い絆のもと、助け合って支え合っていましたが、永瀬さんが固い絆や友情を感じるときはどんなときですか?
仕事が忙しく少しナーバスになってしまった時期があって、そのときに学生時代の親友に連絡したんです。そうしたら仕事終わりの遅い時間に会いに来てくれたんです。ありがたかったですね。そのときに友情を感じました。連絡を取り合ったことでホッとしたのか、仕事が終わったらしんどいのが治っていて、親友とは普通に遊びました(笑)。でも、そういう友達って本当に大切だなと切に思いましたし、逆にもしも彼からSOSがあったら僕も絶対会いに行きたいです。
映画では正義って何だろう、と問いかけてきますが永瀬さんにとって正義とは何だと思いますか?
人の意見や考え方を否定しないことですね。人にはそれぞれ考え方や価値観があって、それは人の数だけあると思っています。そんななかで浮いた考えを持つ人、ちょっとでもみんなと違う意見を持つ人を省いてしまったり距離を置いたりしがちですが、僕はそんな人や考えをおもしろがったり楽しんだりしちゃうタイプです。曲を選んでいたとき、みんなで「この曲がいいね」って決まりかけていたのに「こんなのもあるよね」って提案してきて、最初は「ええ?」ってなっちゃうけど、ちゃんと聞いてみたらそっちの曲のほうがめちゃめちゃよかったっていう経験もあるので、人の意見は否定せずに聞きます。
永瀬 廉
1999年1月23日生まれ、東京都出身。’18年、King & Princeとして『シンデレラガール』でCDデビュー。’21年、主演映画『弱虫ペダル』で日本アカデミー賞新人俳優賞に輝いた。同年『おかえりモネ』で朝ドラ初出演。王道アイドルと俳優の両輪で活躍中。
Information
映画『法廷遊戯』11月10日(金)全国ロードショー。法律家を目指した3人の同級生、清義(永瀬廉)と美鈴(杉咲花)と馨(北村匠海)だったが、ひとりは弁護士、ひとりは被告人、そしてひとりは命を失った。予測不能の謎解きノンストップ・トライアングル・ミステリー。
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