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Interview

Interview / 2022.03.06

「きっかけはいじめ」お友達系YouTuberそわんわんさんが半生を明かす!

自身の閃きを信じ、アグレッシブに生きる女の子にフィーチャー。「お友達系YouTuber」として人気のそわんわんさんにインタビュー。これまでの半生を語ってくれました。

「やりたいことは芸能だけ。“そわでもできるんやったら”って勇気を持ってほしい」

――”お友達系YouTuber”といわれるそわんわんさんですが、どんな子ども時代でしたか?

前に出るでもなく、結構大人しい子どもでした。ただ、小さいころから洋服は好きで、「この服じゃないと行きたくない!」と言う子やったみたい。今のような性格になったのは、小5のときのいじめがきっかけ。クラス内で順番に仲間外れにされるようないじめだったから、いじめてた子達が「また遊ぼう」って誘ってきたとき、「めっちゃしょうもないな!」って思ったんですよ。ここでいじめてた子達と遊ぶようになったら、同じことの繰り返し。やから「遊ばん」って答えたんです。そのときに「(言いたいことを)言えんなー自分」って思って。てか、もっと思ったことを言ったほうがいいわーって思ったんです。それから性格が変わりましたね。自分から別学年の子らと遊ぶようにして。自分の居場所って作れるんですよね。遠足も一緒にお弁当を食べる子はいなかったけど、「ひとりで食べてもよくない?」って思って。たとえ「あいつひとりで食べてるー」って言われても、「それの何が悪いん?」って捉えられるようになりました。クラスでも男子が話しかけてくれたし、ひとりでも友達は作れるから、ひとつの環境にとらわれる必要はないと思うようになりました。

――いじめられてるとき、好きだったおしゃれが、拠り所になってました?

そうですね、楽しみのひとつでした。学校とはまったく違う楽しみ。雑誌もすごく好きやったし。『Ranzuki』とか『ラブベリー』とか『CUTiE』を読んでました。

――じゃあ、学生生活で大きく影響を受けたものは、やっぱり雑誌?

当時はいろんな雑誌があったので、雑誌で情報収集してましたね。あと、CROOZ blogが好きで、モデルさんのブログをめっちゃ読んでましたね。『Ranzuki』のなつぅみちゃんとか、あきぽよちゃんとか。雑誌やブログを見て、漠然とファッションのお仕事に就きたいと思っていました。いじめられていたとき、めっちゃ泣いて帰った日があったんですよ。家に帰ってテレビを見ていたら、めちゃめちゃ笑っちゃってて。「テレビに出てるこの人達、すごいな」って思ったんです。「さっきまで泣いてた人をこんなに笑わせるなんて!」って。それで、自分も人を笑顔にできるようなタレントになりたいと思うようになったけど、ファッション関連のお仕事もできるといいな、とアバウトに思ってました。小さいころから「将来の夢はアパレルの店員さん」って言ってたけど、小6の卒業文集では「芸能人になりたい」って書いてました。

――そんな将来の夢を具体的に考え始めたのはいつからですか?

やりたいことは芸能だけやったから、中学、高校の三者面談でも「芸能人になりたい」で通してましたね。高校はわりと進学校で、300人以上いるなかでフリーターになったのはうちだけ。先生に何回も進学するように勧められて。けど、うちはやりたいことはやりたいけど、やりたくないことはやりたくない。進学しても特にやりたいこともないし。できるだけやらんでいいことは削減したい。芸能の仕事をやりたいのに、進学して就職したらそれを言い訳に夢のための行動を起こさないと思ったから、進学はしませんでした。

――卒業後、実際に夢を実現させるためにどんなことをしたんですか?

自分から積極的に動きました。ターニングポイントは、アパレルのアルバイトです。上京して3カ月くらいバイトに応募しまくったのに、落とされてなかなか決まらないからニートしてて(笑)。"髪色自由"って書いてあるのに!

――どんな髪色だったんですか?

レインボー!(笑)めっちゃ派手やったんですよ、当時。「なんで採用されんのやろ〜?」って思ってました。採用してくれたのは、髪色自由のアパレルのポップアップショップ。夢のためにも期間が決まってるほうがよかったんです。ずっと働くことになったら、夢を後回しにしちゃうし。そのポップアップで、今専属モデルをやっている『lafarfa』のスナップもあったので『lafarfa』編集長と会えたんです。連絡先を聞いて、自分で企画書みたいなものを作って、編集長に電話して時間をもらって。「うちを使うとこういうメリットがありますよ」とプレゼンしたんですよ。そしたら本当に単発の企画で使ってくれたんです。ポップアップが終わったころ、YouTubeで食べて行けそうなくらいの収益が出たんです。そこでバイトはパタリとやめて、YouTubeの数字を伸ばしつつ、ファッションが好きやからインスタでも発信してって、今に至る、みたいな感じ。レインボーの髪でも雇ってくれた会社には感謝ですね。

YouTubeを始めてから

――YouTubeを始めたのは高校生のころでしたね。きっかけは?

うちのなりすましです。誰かが"そわんわん"としてYouTubeを始めてたんです。絶対身内なんですけど。高校のときに友達のTwitter宛にリプライしたらめっちゃバズった私の動画を上げてて。周りに教えられて気づいたんですけど、見たら3人くらいチャンネル登録してるし(笑)。誰かがやってるなら本人がやろうと思って、その日のうちに「友達の作り方」っていう動画をUPしました。1回投稿したなら、続けようかな、って。今となっては、きっかけを作ってくれたわけやし、なりすましにも感謝してますけどね(笑)。未だに誰かわかんないですけど。名乗ってほしいのに!

――YouTubeを始めてからの気づきや、反響が大きかったものは?

上京して友達がおらんかったころは、友達がカメラの向こうにいる感覚で、その日の出来事や話したいことをしゃべった動画を投稿してました。当時は撮影のために着替えて化粧してたんですけど「遊びにも行かんのにだるいな〜」って思って、ある日寝起き10分くらいでほんまの素で撮った動画がめっちゃバズったんですよ。「こんなに素やけど、それでいいんや!」って気づいて。それ以降、ほんまに日常の一部を切り取って動画に上げてる感じ。みんなも素で行ったほうがいいと思います。素が好かれるのがいちばんうれしいし! 反響が大きいのは語る動画。最近だと、アサイーボウルを食べながらめっちゃ語った動画かな? うち、関西コレクションとかに出ると絶対叩かれるんです。「ブスのくせに」って。別にブスでもよくない? ブスでもやりたいことやっていいし、顔なんか関係ないじゃないですか。顔がどうであれ、できないことはない。そういう内容で語った動画をUPしたら、すごく反響がありました。反応してくれるのは、同世代か少し上の世代の方が多いかな。イベントをやらせてもらっても、結構年上の方が来てくれます。インスタは若い人が多いけど、YouTubeは娘感覚で見てくれてる人が多いみたい。読者の年齢層が、うちよりちょっと上の『lafarfa』でモデルをしているのも理由のひとつかも。『lafarfa』きっかけでうちのことを知ってくれる人が増えたのがうれしいです。

――3冊出している著書も、2冊はエッセイで”語る系”ですね。

ずっとスタイルブックを出したかったんですけど、エッセイとか文字のほうが需要があったんですよね。1冊目はわかりやすく、簡潔に。半年後に出した2冊目は1冊目をもっと詳しく書いた内容で、大変でした。どんな人が読んでくれるかわからんから、読んでくれてる人全員を否定しないように書くのがすごく難しくて。「誰のことも否定しない」のはすごく意識したことです。SNSに送られてくる相談が、見た目のことや自己肯定感が低い、というテーマが多くて、それを本にまとめたんですけど、自己肯定感が低いとかネガティブとか、別に悪いことじゃないじゃないですか? それが自分なわけで。そんな部分も認めて受け入れるほうが生きやすいな〜って、最初の2冊はそういうことを書いてます。

――そして約1年後に念願のスタイルブックを。

今の自分を詰め込みたくて、めっちゃこだわりました。ほぼ写真集みたいな感じです。雑誌育ちなんで、スタイルブックを作ることにすごく憧れがあって。あと、結構みんな周りを見て夢を諦めちゃうことが多いけど、「そわでもできるんやったら私にもできるんやないかな」って勇気を持ってほしくて作ってます。スタイルブックを出したいって、動画でも言い続けてたから、ずっと見てくれてる人達が、すごく喜んでくれました。やりたいことを叶えてる姿を見せられて、うれしい。夢を叶えてる姿を見せないと、うちが言ってることも説得力がないから、有言実行できてよかったです。本のなかには、赤ちゃんのころからの写真を載せてるページもあるんやけど、見返すのがすごく楽しかった。うち、プリクラとか写真は印刷して、アルバムにまとめてるんですよ。おばあちゃんになったら見返すんです。データやと消えちゃうから、紙にしたらずっと残るからいいですよね!

――活動の場を広げてからほかにどんな変化がありましたか?

より楽しくなりました! いろんなおしゃれやブランドを知れて、選択肢が増えたのがすごく楽しい。今までバイト代で買える範囲のものしか買えなかったけど、稼げるようになってハイブランドを知れて、そんなお洋服をたくさん着たいから、お仕事がんばろ〜!ってモチベも上がるし。原宿系のファッションは大好きやったんですけど、あんまり派手なコーデはしなくなりましたね。ちょっと大人になったかも。だけど、年齢に合わせてファッションを変えていくんじゃなくて、いくつになっても好きな服を着ていたいです。

――これから挑戦したいことや、今後の目標を教えてください。

大好きな原宿の、でっかい看板に出たいです。できれば、ラフォーレの! うち、原宿がめっちゃ好きなんです。上京したころは、まだ原宿でスナップをよくやってたから、撮られたくて行ったりして。ま、1回も撮られなかったんですけど(笑)。そんな自分が大好きな場所のでっかい広告に出られたらうれしいな。それから、2冊目のスタイルブックが出せるとしたら、甘めだった1冊目とはガラリと変えて、モードな感じにしたいです。辛口のそわんわんをやりたい。成長した姿をそこで見せられたらな〜と思います。

そわんわん:1999年2月19日、東京生まれ。O型。和歌山県で育ち、持ち前の明るさと飾らない性格で「お友達系YouTuber」として人気。ファッション誌『lafarfa』専属モデルとしても活躍。

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Photo_Karin Ikeda Interview_Eri Nishimura Text&Edit_Saeko Kudo