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Interview

Interview / 2022.03.03

女優 小松菜奈が明かす。減量して臨んだ、役作りのエピソード

唯一無二な美しさと存在感で惹きつける、女優 小松菜奈がbisにカムバック。ヒロイン役を務める映画『余命10年』へ向けての役作りについてや、エピソードを語ってもらいました。bis読者へのメッセージも必見です!

余命を宣告された女性という、難しい役に挑戦

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――映画『余命10年』では、20歳で余命を宣告されたヒロインの茉莉を演じました。死が迫るシリアスな現実に立ち向かう難しい役柄でしたね。役作りなど、事前に取り組んだことはありますか?

ビデオカメラが大事なシーンで出てくるのですが、まずはビデオカメラに慣れるようにしました。実際に使うビデオカメラを貸していただいて、プライベートでも自分で撮ったりしていました。普段私はビデオカメラを回すことがないので、まずは作業に慣れるようにしました。
1年間の撮影中、最初の茉莉がまだ元気で楽しいシーンを先に撮影しましたが、そのあとは次第に病状が悪化して弱っていくんです。なので、だんだんと減量をしていきました。

――死に立ち向かう茉莉の人物像を教えてください。

茉莉は自分の周りが悲しまないように、いつも笑顔でいることを心がけていた優しい女の子です。自分がいちばんつらいのに、自分の気持ちはひとりで抱え込んで、周りに気を遣わせないようにしているので、すごく健気だなと思います。自分ではなく、相手優先。いい意味でも悪い意味でも空気がすごく読めちゃうんですね。

――大変だったシーンは?

物語の中盤で、自暴自棄になって行方不明になった茉莉を、坂口健太郎くん演じる恋人の和人が探しに来るシーンです。この日の撮影は、茉莉が何もかも嫌になってひとりで居酒屋に行き、ものすごく飲み食いしてトイレで吐くシーンを撮っていたので、感情が乱れた状態で外での撮影に入ったのですが、真冬日だったので、とにかく寒くてしんどかった。減量もしていたので集中力が切れてしまって、自分の体と頭が追いつかない状態でした。ただ、自分の負けず嫌いなところもあって、どんなにテンパっていても、このシーンの演技をやりきらなきゃいけない。そんなときでも、坂口くんや藤井(道人)監督が寄り添ってくれて、声を掛けてくれました。監督は私を信じて粘ってくださって、坂口くんも待ってくれていたので、本当に乗り切ったなというシーンでした。

――涙を流すシーンが多かったですよね。
茉莉がお母さん(原日出子)に本当はつらいんだという気持ちを初めて吐露するシーンは、自分が演じたシーンの中でも、特につらかったです。この日は、軽井沢で和人に病気を告白したシーンを撮影したあとに、移動してお母さんとのシーンを撮影したのですが、気持ちを途絶えさせないように、野田(洋次郎)さんが作ってくださったRADWIMPSの曲を聴きながら移動しました。お母さんとの撮影は、私も感情が昂って、思いがあふれ出て、泣かずにいられませんでした。

――若い世代のbis読者へ、メッセージをお願いします!

コロナ禍になってから、学校に行けなかったり、友達と遊べなかったり、外出できなかったりと、多くの人が制限された生活を送ってきたと思います。修学旅行や文化祭など、せっかく楽しい思い出を作れる学生時代なのに、悲しいですよね。ただ、どんなときでも後悔せずに時間を過ごしてほしいと思います。こんな状況でも楽しめるよう工夫したり、できないことがあるならほかの選択肢を見つけるようにしようと私自身も心がけています。たとえ何か困難なことに直面しても、人間って強いから、逃げ出さずにひとつひとつに向き合ってみてほしい。そして、いつも家族や友達、周りにいてくれる人を思いやる気持ちも大事にしてほしいですね。

映画『余命10年』

©2022 映画「余命10年」製作委員会

累計発行部数50万部突破の小坂流加氏の同名小説が原作。不治の病にかかりもう恋はしないと心に決めた余命10年の茉莉を小松菜奈、茉莉と恋に落ちる和人を坂口健太郎が演じる。同窓会で再会した2人は惹かれあい、ありふれた毎日が輝き出す。思い出の数だけ失われていく時間――彼らが最後に選んだ道とは?
3月4日(金)全国ロードショー。監督:藤井道人配給:ワーナー・ブラザース映画

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Photo_Bungo Tsuchiya(TRON) Styling_Ayaka Endo Hair&Make-up_Mai Ozawa(Mod’s Hair) Model_Nana Komatsu Interview_Akiko Takada Text&Edit_Megumi Shimbo