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Diet / 2022.11.18

トマトジュースの美肌やダイエット効果とは? 選び方も解説

トマトジュースには美肌やダイエットなど、さまざまなうれしい効果が期待されることをご存じですか? トマトジュースは、生のトマト以上ともいえる魅力がギュッと詰まっているんです。

今回はトマトジュースの効果をはじめ、選び方や飲むタイミング、量などの取り入れ方についても詳しく解説します。

トマトジュース 美肌

photo:@kananana.t

 

美肌やダイエットにも! トマトジュースの効果

トマトジュースは生のトマトをふんだんに使って作られるため、美肌や美容によい成分をたっぷり補給できます。またダイエットにうれしい効果も。

トマトジュースに期待される効果について、詳しく見てみましょう。

 

美肌づくりを助けるリコピンが豊富

「トマトジュースが美肌によい」といわれるのには、以下の理由があります。

  • ・トマトジュースに含まれる「リコピン」の抗酸化力が高い
  • ・生のトマトに比べリコピンの量が多い

 

リコピンは抗酸化作用という、肌の老化の原因のひとつとなる「活性酸素」の働きを抑えたり、取り除いたりする働きを持っています。活性酸素は紫外線やストレス、喫煙などにより生成され、細胞を傷つけて肌のたるみやシワなどを引き起こすことが知られています。

リコピンは生のトマトにも含まれますが、トマトジュースのほうが含有量が多いこともわかっています。生のトマトのリコピンの量は100gあたり3~5mgほどに対し、トマトジュースは6~13mgという測定結果があり、豊富に含まれていることがわかります。

トマトジュースのほうがリコピンの量が多いのは、リコピンの多いトマトが使われていたり、濃厚な味わいにするためにトマトをたくさん使っていたりすることが考えられます。

トマトジュースは忙しいときでも手軽に取り入れやすく、美肌づくりの強い味方となってくれるでしょう。

ビタミンCはしみや肌のハリ対策にも

トマトジュースにはビタミンCが含まれ、しみや肌のハリ対策に役立ちます。

ビタミンCは、しみやそばかすの原因となるメラニン色素が作られるのを防ぎ、またできてしまったしみを薄くする手助けもしてくれます。またビタミンCはコラーゲンが作られるときに必要な栄養素であり、肌のハリを保つためにも欠かせません。

ビタミンCは水溶性の栄養素であり、尿から排出されてしまうため毎日摂取することが大切です。どこでも手軽に飲めるトマトジュースは、ビタミンCの補給にぴったりです。

 

カリウムはむくみ解消にぴったり

トマトジュースにはカリウムが含まれ、むくみを解消したいときにも役立ちます。

むくみの原因のひとつは、塩分(ナトリウム)の摂りすぎです。塩分をとりすぎることで体は水分をため込んでしまい、足や顔など、全身にむくみを引き起こします。

カリウムは余分な塩分とともに水分を排出してくれる働きがあります。この働きにより、むくみを解消してくれるのです。

カリウムの含有量は、生のトマト1玉(150g)では315mgに対し、トマトジュース1本(200g)では520mgとなっています。トマトジュースは効率的にカリウムを摂取したいときによいでしょう。

 

間食代わりにすればダイエット効果も

甘いジュースやお菓子などの間食をトマトジュースに置き換えれば、カロリーカットができダイエット効果も期待できます。

どの程度カロリーカットができるのか、詳しく見てみましょう。

  • ・カフェオレ(500ml)190kcal→トマトジュース(200ml)36kcal=154kcalカット
  • ・バニラアイス(1個200g)356kcal→トマトジュース(200ml)36kcal=300kcalカット

 

150〜300kcalを毎日カットできれば、1カ月で0.6〜1.3kgほどやせられる計算になります(※)。

間食の代わりに取り入れる以外にも、食事の前に飲んでドカ食いを防ぎ、食事の量を抑える効果も期待できます。

トマトジュースは適度な甘みもあって満足しやすく、無理のないダイエットに役立つでしょう。

※:150~300kcal×30日=4500~9000kcal 4500~9000kcal÷体脂肪1kg7000kcal=0.6~1.3kg

 

トマトジュースの選び方のポイント3つ

うれしい効果を期待できるトマトジュースですが、さまざまな商品がありどれを選んでよいか迷ってしまいますよね。

トマトジュースを選ぶ際のポイントは3つです。ぜひ参考にしてみてください。

 

リコピンの量が多いものを選ぶ

トマトジュースを選ぶときは、リコピンの量に注目して多いものを選んでみましょう。リコピンの多いトマトを使っているものもあり、製品によって100gあたり6〜13mgと、リコピンの量が異なります。

スーパーやコンビニで販売されているものは、多くの商品にリコピンの量が記載されています。パッケージの栄養成分表示の欄に書かれているため、選ぶ際の参考にしましょう。

 

原材料がシンプルなものを選ぶ

トマトジュースは原材料名を確認し、原材料がシンプルなものを選びましょう。

トマトジュースの中には砂糖やブドウ糖液糖など糖分が添加されているものもあり、糖質の摂りすぎになりかねません。

糖質の摂りすぎはダイエットの妨げになるだけでなく、体の「糖化」を引き起こしやすくなり、肌の老化の一因ともなります。

糖化とは、余分な糖とタンパク質が結びつく反応のことです。最終的にAGEs(エイジーイーズ:蛋白糖化最終生成物)という物質を生成し、AGEsが蓄積すると、細胞にダメージを与えて肌の老化の原因となると考えられています。

トマトジュースを選ぶ際は、原材料名の材料数が少ないものや、トマトだけになっているものがよいでしょう。

 

食塩無添加のものを選ぶ

トマトジュースは食塩の入っていない「食塩無添加」のものがおすすめです。

トマトジュースには食塩が入ったタイプも売られており、毎日とることで塩分の摂りすぎが心配です。1パック(200g)あたり0.6gの塩分が入っており、これは味噌汁1/2杯分の量にあたります。

塩分の摂りすぎは、むくみや血圧を高くするなど、健康に影響を及ぼすことがあります。とくにむくみは美容が気になる方にとって大敵です。

パッケージに「食塩不使用」「食塩無添加」などと表示されているため、チェックして選ぶようにしてみてください。

もし、どうしても食塩が入ったものを飲みたい場合は、ほかの食事の塩分を減らすこと(味噌汁やスープを飲む回数を減らす、薄味にするなど)を意識するとよいでしょう。

 

トマトジュースを取り入れる際のポイント

どのトマトジュースを選んでよいかを知ったあとは、取り入れる際のポイントも知っておきましょう。タイミングや量、トマトジュースをとる以外にも気を付けたい点など、詳しくお伝えしていきます。

 

食後でリコピンの吸収率アップ

トマトジュースは食前より食後に飲むことで、よりリコピンの吸収がよくなります。

リコピンは脂溶性の栄養素であり、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。食事に含まれる油がリコピンの吸収を助けてくれるため、食後に取り入れるほうが効率的というわけです。

もし食前や空腹時に取り入れたい場合は、オリーブオイルを少しプラスするなどの飲み方もよいでしょう。

 

ストレートと濃縮タイプはどちらでもOK

トマトジュースにはストレートタイプと濃縮還元がありどちらを選んでよいか悩むかもしれません。結論からいうとどちらでも、好きなほうを選んでOKです。

そもそもストレートタイプと濃縮タイプの違いは以下の通りです。

  • ・ストレート:果汁をそのまま容器に詰める製法
  • ・濃縮還元:一度濃縮させた果汁に水分を加え元の濃度に戻す製法

 

製造コストや品質の安定のために、トマトだけでなく野菜ジュースや果物ジュースは濃縮還元が一般的です。

濃縮していることから「濃縮還元は栄養がないのでは?」と思うかもしれません。しかし、ストレートタイプでも加工の過程でビタミンCや食物繊維が減ってしまい、どちらも生のものに比べるとビタミンCや食物繊維の量は少なくなる傾向があります。

また日本食品標準成分表に両者の栄養成分値の違いは記載されておらず、どちらが優れているとはお伝えしにくいものです。

その商品に含まれる栄養成分値はパッケージに記載されているため、ビタミンCや食物繊維の量が気になる場合はチェックし、より多いものを選ぶとよいでしょう。

 

飲みすぎはNG

トマトジュースが体によいからといって、飲みすぎは禁物です。

たくさん飲むことでカロリーの摂りすぎにつながり、かえって太ってしまうことがあります。また水分、食物繊維の摂りすぎにより、お腹を壊すこともあるかもしれません。

トマトジュースの適量はとくに決まった基準があるわけではありませんが、飲み切りやすい200ml程度を目安にするのもよいでしょう。200mlでは36kcalほどであるため、カロリーの心配も少なくなりますよ。

 

トマトジュース以外にも生野菜をたっぷりとる

トマトジュース以外にも、ほかの生野菜を意識してたっぷり取り入れるようにしましょう。

トマトに「トマト○個分」と記載があるかもしれませんが、実際にトマトを食べた代わりになるわけではありません。

バランスのよい食事の例を示す「食事バランスガイド」では、野菜ジュースは補助的な役割になるため、1パック(200ml)をとった場合は野菜70g分に換算するようになっています。トマトジュースだけで野菜をとらなくてよい、というわけではないため注意しましょう。

生の野菜を取り入れることで、ジュースだけでは不足しやすい食物繊維やビタミンCの補給ができます。またよく噛むことで顔や口まわりの筋肉が鍛えられ、小顔効果も期待できます。

 

トマトジュースを使ったおすすめレシピ

最後に、トマトジュースの効果をさらに高めたいときや、トマトジュースに飽きてきたときにもおすすめできる、おすすめの簡単レシピをお伝えします。

 

ひんやりおいしい「トマトバナナスムージー」

凍らせておいたバナナと、トマトジュースをミキサーにかけるだけの簡単スムージーです。

バナナのビタミンC、カリウム、食物繊維がプラスされ、トマトジュースの美容効果をさらに高めてくれます。

食欲がないときの手軽な朝食としてもおすすめです。

 

スイーツにおすすめ「トマトゼリー」

トマトジュースを寒天やゼラチンで固めれば、簡単にスイーツが作れます。寒天なら食物繊維をプラス、ゼラチンならタンパク質をプラスできますよ。

甘みをつけたいときは、カロリーゼロの甘味料を使うと、カロリーオフでもおいしく食べられます。またはオレンジジュースやグレープフルーツジュースと1:1で割ってゼリーを作ると、自然な甘みを楽しめるでしょう。

まとめて作っておき、小腹が空いたときの間食にいかがでしょうか?

 

トマトジュースが苦手でも取り入れやすい「トマトスープ」

トマトジュースが苦手な方は、料理に使うと取り入れやすくなります。

玉ねぎやキャベツ、にんじんなどの野菜をトマトジュースとコンソメで煮込めば、野菜たっぷりの栄養満点なおいしいスープになります。

作り置きして冷凍保存しておけば、朝食や夜食など、食べたいときに食べられるのでおすすめです。

 

トマトジュースで憧れの美肌に近づこう!

トマトジュースは手軽に取り入れられ、美肌づくりやダイエットなどさまざまなうれしい効果が期待できる飲み物です。

トマトジュースを選ぶ際は、パッケージを確認して、リコピンの含有量や食塩の有無などを確認してみましょう。

憧れの美肌に近づけるように、トマトジュースを上手に活用してくださいね!

 

 


 

この記事を書いたのは……管理栄養士 広田千尋さん

 

管理栄養士。保育園・保健センター・病院で幅広い年代の健康づくりをサポートし、2020年より独立。
栄養や食に関するコラム執筆、監修、健康に配慮したレシピ作りなどを行っている。
プライベートでは1児の母であり、毎日の食事作りに奮闘中。身近にある材料でとにかく簡単に作れるレシピの提案を得意としている。