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Diet / 2022.06.04

リバウンドの原因と対策! ダイエットは正しく続けられる方法で目標体重を維持しよう

食事制限や運動をしたのに、体重が元通りになる「リバウンド」は、ダイエットの手段や考え方を変えることで防げます。また、短期間で大幅な減量を目指そうとした人は、思うようにやせられず挫折した経験があるかもしれません。

そこで今回は、リバウンドする原因と対策を紹介します。「次こそダイエットを成功させたい!」と思う人は、リバウンド対策を取り入れながら減量をしていきましょう!

 

ダイエットリバウンド_1

photo:@miraney3

 

リバウンドの意味とは?

リバウンドとは、ダイエット後に減少した体重が戻る、またはダイエット前より体重が増加することを指します。

目標を達成したかに関わらず、ダイエットをやめると食生活は以前の状態へ戻り、運動する頻度や回数も減ります。そうすると、摂取カロリーが増加し消費カロリーは減少、ダイエット前の体重へと戻ってしまうのです。

 

ダイエットをしたのにリバウンドする原因

リバウンドの原因はさまざまですが、体に負担がかかる無理なダイエットは失敗する可能性が高まります。

一生懸命がんばったダイエットの成果をキープするためにも、リバウンドの原因を把握しておきましょう。

 

必要以上に食事制限をする

極端に摂取カロリーを抑える、食べる量を減らす食事制限は、ダイエットを挫折するきっかけになります。

誤った食事制限は、太りやすくやせにくい体になりかねません。食事制限によるリバウンドは、おもに3つの原因が考えられます。

・栄養不足で基礎代謝が悪くなる
・タンパク質の不足により筋肉が分解されて、基礎代謝が低下する
・食べたいものを我慢するストレス

やせるために食事を我慢していても、実は逆効果だったというパターンもあるでしょう。「食べなければやせられる」といった考え方は、リバウンドにつながります。

 

運動をせずにやせようとする

運動が苦手だからといって、体を動かさずに食事制限だけできれいにやせることは難しいでしょう。

食事制限のみのダイエットを続けていると、筋肉量が減少して基礎代謝が低下します。これに加えて、インスリンと呼ばれるホルモンの感受性の低下により、リバウンドしやすい体になります。

運動不足によるリバウンドを防ぐためには、運動が重要であり、なかでも筋トレが欠かせません。

 

短期間で大幅な体重減少を目指している

「1カ月で10kgやせたい」といった無謀なダイエットは、思うようにやせられず諦めたり、体に不調をきたしたりして挫折しがちです。無理な目標に向かってがんばりすぎると、心身に大きなダメージを与えるため、極端なダイエットはやめましょう。

たとえば「1週間でマイナス2kgやせる」といった目標を立てたとします。体脂肪が1kg燃焼するためには7,200kcalの消費が必要です。2kg減量となれば14,400kcalを消費しなければなりません。大きなエネルギーを消費するには、非現実的な運動量や食事制限が必要です。

むくみや便秘を解消すると数日間でマイナス2kgを達成することは可能ですが、体脂肪が減ったとはいえません。

 

◯◯だけダイエットをしている

「サラダだけ」「りんごだけ」のような◯◯ダイエットは、栄養不足による代謝の低下を招きリバウンドの原因となります。

サラダやりんごだけのように、栄養の偏った食事から以前の食生活へ戻すと、ダイエット前より体重が増えることも考えられます。

また栄養不足に陥ると、リバウンドだけではなく、肌荒れや筋肉の萎縮、貧血、骨の強度が低下する骨粗しょう症の原因にもなりかねません。

 

炭水化物抜きダイエットをしている

ダイエット=炭水化物抜き、糖質制限をイメージする人もいますが、これらを抜きすぎると、栄養のバランスが崩れてしまいます。

・炭水化物:エネルギーとなる栄養素。タンパク質、脂質と並び三大栄養素と呼ばれる
・糖質:炭水化物の一部。糖質と食物繊維を合わせたものを「炭水化物」と呼ぶ

炭水化物、糖質のみの制限いずれにおいても、過度な制限はリバウンドの原因となります。

さらに炭水化物を抜き低血糖になると、体が疲れやすい、物事の判断がしづらくなる、怒りっぽくなることもあるため、過度な制限は控えましょう。

 

リバウンドしないダイエットの基本

リバウンドせずダイエットをするためには、食事の改善と適度な運動が欠かせません。

食事と運動の一方だけをがんばるのではなく、無理のない範囲でどちらも改善しましょう。

 

食事の改善を行う

ダイエットでは、食事を抜く・減らすよりも、食べ方の改善が大切です。水やお茶で水分をしっかり摂取する、よく噛むといった基本が無意識にできるとベストです。

食べるものや食べ方、タイミングを改善する方法の一例には、おもに以下のようなものがあります。

・魚に含まれる脂質は中性脂肪を減らすため積極的に摂取する。反対に、肉やお菓子の脂質は控えめにする
・調理方法は生、蒸す、ゆでるを中心にし、焼く、揚げるの回数を減らすと脂質の過剰摂取を防げるためやせやすい
・おやつを食べたいときは15時ごろに食べる。体脂肪になりにくい
・調味料を追加でかけず、そのままで食べる。脂質や塩分の摂りすぎを防げる
・麺類のスープは残す。脂質や塩分の摂りすぎを防げる

どれも基本的なことではありますが、ちょっとした改善の積み重ねがダイエット成功への近道です。

 

筋肉を維持するための運動を行う

リバウンドをしない体や引き締まった体を目指すダイエットでは、筋トレは欠かせないことのひとつです。

筋トレで筋肉量が増加すれば、基礎代謝が上昇します。そうすると、運動をしていない時間でも消費されるカロリーが増えるため、リバウンドしにくい体を目指せます。

筋肉と体脂肪、同じ1kgでも見た目は異なるもの。今ある体脂肪1kgが筋肉1kgになればやせて見えるでしょう。

 

リバウンドしにくい体をキープするためには、目標体重達成後も続けられる1回1時間程度の筋トレを中心に、週1~3回程度の運動習慣を身につけられるとベストです。

運動になれていない人は、重いダンベルをもつような負荷の多い筋トレから始める必要はありません。自分の体重を使って行う自重トレーニングからスタートしてみてください。自重トレーニングとは、スクワットやスプリットランジ(片足を前に出して膝を曲げるトレーニング)といった、お尻や太ももの大きな筋肉を鍛えるトレーニングや、腹筋や腕立て伏せです。

 

運動を行う順番は、軽く有酸素運動をしたあと筋トレをするとよいでしょう。筋トレ前にウォーミングアップの有酸素運動を取り入れると、心拍数が上昇して体が温まり、さらに筋肉が柔らかくなることで動きやすくなります。

有酸素運動による脂肪燃焼効果を取り入れるのであれば、以下の方法と順番がおすすめです。

①ウォーミングアップ:10分程度の軽いジョギングまたはHIIT(短時間で大きな負荷をかけインターバルトレーニング)
②筋トレ
③ジョギング

運動のモチベーションを保ちにくいときは、YouTubeにアップされているダンスやHIIT、筋トレなどの動画を見ながら行うと、楽しく継続できるでしょう。

 

ダイエットを成功させるためのリバウンド対策

ダイエットリバウンド_2
photo:@jam___pam

 

リバウンド対策のポイントは、無理なくじっくり体脂肪を落としていくことにあります。

ダイエットをしても体重が戻りがち、ダイエットが長続きしないという人は、リバウンドしにくい方法を学んで実践しましょう。

 

続けられるダイエット法を実践する

長期間かけて体重を落とすこと、目標体重を達成しても続けられることは、リバウンドに欠かせないふたつのポイントです。

たとえば、以下は日常で取り入れられるダイエットです。やせようと意気込まなくても、誰でも習慣化できます。

・飲み物はジュースではなく、水に変える
・食品はパッケージの栄養成分表示を確認する
・夜に食べたものは脂肪になりやすいため、夕食は糖質を控える
・目線を上げて、姿勢よく大股で歩く
・1、2階であればエレベーターやエスカレーターではなく歩く
・1駅程度の無理のない距離は歩く

ダイエットを「がんばっている」と意識せず、習慣になっていれば理想的です。

 

タンパク質不足を防ぐ

上述しているように、筋肉量を保ちリバウンドしにくい体づくりのためにはタンパク質が欠かせません。

タンパク質不足を防ぐためには、肉や魚などの「動物性タンパク質」、大豆製品やそば・玄米の穀類などの「植物性タンパク質」を積極的に摂取しましょう。体重1kgあたり1gのタンパク質、50kgの人であれば1日50gのタンパク質の摂取が目安です。

タンパク質は1日にまとめて摂取するのではなく、3食で分けたほうが分解された筋肉を再合成しやすいです。そのため、1回の食事では17g前後のタンパク質摂取を意識してみてください。

 

以下は、おおよそのタンパク質量の目安です。

・手のひらサイズの肉や魚(100g)で約20g
・卵1個:約6g
・牛乳1杯200ml:約6g
・納豆や豆腐1人前:約6g

細かくカロリーを計算することもよいですが、ざっくりと把握するだけでもダイエットの意識が変わります。

 

ビタミン・ミネラルを摂取する

ダイエットでは、ビタミンとミネラルをバランスよく摂取することもリバウンド対策のポイントです。

ビタミンのなかでも「ビタミンB群」は、糖質や脂質、タンパク質の代謝に欠かせない栄養素です。ビタミンB群が不足すると代謝が進まず、疲労感やむくみの原因になり、糖質や脂質が体内に蓄積される可能性もあります。ビタミンB群は、レバーや豚肉、魚介類に多く含まれています。

 

ミネラルでは、カリウムとマグネシウムを積極的に摂取しましょう。

カリウムは体の塩分を排泄して、むくみの改善へ導きます。タンパク質を摂取する際、塩や醤油で味付けをしている食品が多く、塩分を多く摂りがちです。カリウムを多く含む、野菜や果物、海藻類などの植物性の食品を一緒に摂取しましょう。

マグネシウムは、ストレスへの作用や便秘の改善へ導く役割をもちます。アルコールやカフェインを摂取したときはマグネシウムを消費するため、お酒やコーヒーを飲む人にも欠かせない栄養素です。

マグネシウムを多く含む食品は、魚介類です。また、ミネラルウォーターの中でも「硬水」に分類された商品はマグネシウムを始めとするミネラルを多く含みます。

 

食物繊維を摂取する

食物繊維には、以下の2種類があります。

・不溶性食物繊維:便秘の予防や改善が期待できる
・水溶性食物繊維:腸内環境を整える、糖質の吸収を穏やかにして血糖値の急上昇を防ぐ

食物繊維がダイエットにおすすめな理由は、ほとんどカロリーない、かみ応えのあるものが多く満足感を与えてくれるからです。

「ダイエット中で口がさみしい」「食事の量を調整していて、満腹感に欠ける」といったときは、食物繊維が豊富な食材が心身を満たしてくれるでしょう。

2種類の食物繊維は、野菜や果物、海藻類、豆類、きのこ類、いも類といった植物性食品に含まれています。同じ食物繊維でも異なる作用をもちますが、どちらも積極的に摂取することをおすすめします。

 

急いでやせようとしない

ダイエットを成功させるためには、短期間で大幅な減量を目指す考え方はやめにしましょう。がんばった成果が目に見えないとつらいですが、ダイエット後も体重をキープするためには、時間をかけてやせるほうがリバウンドしにくいのです。

上述したように、1カ月に体重の3〜5%(体重50kgで1〜3kg)の減量にとどめておくとリバウンドを防ぎやすいです。

短期間でやせれば、短期間でリバウンドしやすくなります。反対に、長期間をかけてやせると栄養不足になりにくく心身のストレスが少ないため、リバウンドと健康的な被害も防ぎやすいです。

 

少しの体重増加なら気にしない

食べたものが体脂肪になるまで2日ほどかかります。そのため、少し食べすぎた程度で翌朝体重が増えていたとしても、それほど気にする必要はありません。

体重計に乗れば、食べたり飲んだりしたぶんが数値として増えてしまいます。しかし体脂肪として増えているわけではないため、運動をしたり食事の量を調整したりとリセットを心がけることで、体重が増加していくことを防げるでしょう。

 

特に女性は、生理周期によりホルモンバランスが変化して、食欲が増したり血流の悪化によりむくみやすい時期もあります。生理前は、1〜3kg程度であれば体重が増加するものだと知っておくと、心の負担が軽くなるでしょう。

また、体重が増加していても脂肪が減り筋肉が増えていれば、見た目が引き締まって見えます。体重の変化だけにとらわれないことも、リバウンドを防ぐポイントです。

 

無理のないダイエットがリバウンド対策になる!

本来ダイエットとは「やせるぞ!」とがんばる一時的なものでなく、規則正しい生活習慣を身につけて継続することを指します。

せっかくやせたのであれば、リバウンドせず体重も見た目もキープしたいもの。維持することがきつく挫折するようなダイエットは、正しい方法とはいえないかもしれません。

短期間で大幅な減量をしたり、食事をまったく摂らないダイエットはリバウンドする原因のひとつです。少し時間はかかるかもしれませんが、心身に負担なく笑顔でいられる、リバウンドしないダイエット方法を実践しましょう。


教えてくれたのは……LIGHT CLINIC副院長 吹田春佳さん

痩せない_監修者

幼少期より人の命の大切さを考え医師を目指す。金沢大学医学部を卒業後、地元の神戸大学に入局し、手術室や集中治療室で超急性期の患者と向き合い、全身管理に努める。オーストラリアのAustin病院に留学するなど見聞を広め、常に死と隣合わせの現場で医療に従事する中で、急性期治療の限界と、予防医学の大切さを思うようになる。帰国後は、肥満患者の減量手術のチームに参加し、肥満改善のチーム医療を学ぶ。その後、国立循環器病研究センターでの勤務を経て、30年、50年先の健康を見据えた肥満治療普及を目指してダイエット専門クリニックを立ち上げる。

Text_Ayumi