Diet / 2021.10.16
やせる食べ物は存在しないって本当? ダイエットで気をつけたい食事と考え方
「できるだけきれいな体になりたい!」と思い、誰しも一度や二度はダイエットをがんばった経験はあるでしょう。
食事の内容を変えたり食べる量を減らしたりしているうちに、やせる食べ物があるなら知りたいと考えたことはありませんか?
そこで今回は、やせる食べ物や太る原因、やせるための食事法について紹介します。
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まずは太ってしまう根本的な原因をチェックしよう
まずは人間の体が太る原因を紹介します。食べすぎはもちろん、実は栄養不足も太る原因です。
消費エネルギーより摂取エネルギーが多い
消費エネルギー(体を動かして使われるエネルギー)より摂取エネルギー(食べて得るエネルギー)が多いと太ります。基本中の基本ですが、食べすぎが太る原因です。
あまり食べていないのに太ったと感じたときは、運動不足かもしれません。
体に必要な栄養素が不足している
もうひとつの太る原因として、以下3つの栄養素が足りないことが考えられます。
・必須ミネラル
・必須脂肪酸
・レジスタントスターチ
必須ミネラルとは、カルシウム・マグネシウム・ナトリウムなどの少量でも体に必要な栄養素です。必須ミネラルは自転車や車でいう潤滑油のような役割をもっており、不足すると体の不調を起こすとされています。
必須脂肪酸とは、体内で作られない脂肪酸です。特に魚に多く含まれるDHAやEPA、アマニ油などに含まれるα-リノレン酸が不足しがちで、アレルギーや炎症を抑える役割をもちます。
レジスタントスターチとは、食物繊維が豊富な炭水化物のことです。これは腸内細菌を元気にして便の量を増やし、腸の環境を整えます。不足することで、腸の調子が悪くなるのです。
食べれば食べるほどやせる食べ物は存在する?
残念ながら、やせる食べ物は存在しません。体を動かして代謝を増やし、内臓脂肪を燃焼して筋肉量を増やすことが基本になるのです。
ただ、太りやすい食べ物は存在します。太りやすい食べ物を避けながら、やせやすい体に導いてあげることが、ダイエットにおける食事の基本になるでしょう。
やせるために積極的に食べたい食べ物とは?
やせる食べ物=野菜をイメージする人は多いはずです。しかし、やせるためとはいえ野菜ばかりでは飽きるし、葉物野菜は高くて毎日買うのはちょっと……という意見もありますよね。
そのような人は、おいしくやせるため以下の食材を取り入れて楽しくダイエットをしてみましょう。
①主食は抜かずに白米を玄米に置き換えてみる
ダイエットでは、主食であるご飯やパン、麺類を抜く人もいるかもしれません。ただ、主食を抜くと満腹感を得にくくストレスになりやすいのです。
このようなときは、主食を白米から玄米に置き換えてみましょう。玄米は、白米よりもビタミン・ミネラルや、食物繊維が多く含まれており、やせるために取り入れたい食べ物のひとつ。
いつもの白米の量より少し減らした玄米を、主食として取り入れてみてくださいね。ただし、玄米だとお腹の調子がよくない方もいます。その場合は、胚芽精米などにもチャレンジしてみてください。
②良質な油は健康な体作りを手伝ってくれる
油=ダイエットの敵だと思っていませんか? 食べ物の油にはいくつかの種類があり、その中に「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」と呼ばれるものがあります。
飽和脂肪酸は、牛・豚・鶏に含まれる脂肪で、人間が体内で作り出せる脂肪酸です。摂取しすぎる傾向にあるともいわれています。
不飽和脂肪酸は、人の細胞膜を作る大切な脂肪酸で、人間の体内で作り出せないものであり食べる必要があるものです。
■細胞膜とは・・・人は、細胞ひとつひとつつがつらなってできており、その細胞にある膜のこと。
一般的な調理で使用されるサラダ油やゴマ油などは、オメガ6であり意識せずとも摂ることができます。
ただし簡単に摂れることから、特徴である炎症やアレルギー促進の影響を現代人は強く受けているといわれています。
一方で、オメガ3は炎症やアレルギーを抑える作用を持つ脂肪酸です。
オメガ3の代表例は、魚に多く含まれているDHAやEPA。また、シソ油やアマニ油などに多く含まれるα-リノレンです。
筋肉を増やすことを考慮すると牛肉や豚肉、鶏肉のイメージが強いでしょう。
しかし効率よく栄養を吸収することを考えると、魚を積極的に食べることで、より健康を意識しながらダイエットができるでしょう。
③おやつが我慢できないときは高カカオチョコやチーズがおすすめ♡
ダイエット中とはいえ、おやつ抜きではストレスが溜まります。甘いチョコレートのお菓子やスナック菓子を食べるのではなく、高カカオチョコやチーズをおやつにしてみましょう。
高カカオチョコは、カカオの含有率が70%以上のものを指すことが多く、特有の苦味が特徴。ただ、脂質が多い傾向にあり食べすぎには注意です。
高カカオチョコについて「下中敦ら(2017)腸内細菌学雑誌31巻第2号」の研究では、カカオ72%以上の摂取をすることで、腸内フローラにおける菌の保有割合が増える結果が出ています。
菌の保有割合が増えると、免疫が高まる、お腹の調子が整うなど体によい影響が期待できるでしょう。
またチーズはタンパク質が多いものの炭水化物が少なく、カルシウムが豊富であるため、不足しやすい栄養素を補います。
④不足しがちな豆類・海藻類も忘れずに食べよう
豆類・海藻類を食べないと、腸内細菌の栄養素が不足し、腸内に溜まる老廃物を掃除できず体内に毒素が溜まりやすい状態になってしまいます。
この影響を受けると、腸の具合が悪くぽっこりお腹になるなどの太りやすい体になってしまうことも。豆腐や納豆の豆類・海藻類も積極的に食べていきましょう。
反対にこれらを食べすぎると便がゆるくなる可能性があるため、豆類・海藻類ばかりを食べることは控えてくださいね。
太る原因の食べ物・食べ方とは? 食事はどう変えればいいの?
ここでは、太る原因と食べ方、改善するための方法を紹介します。ダイエットでつらいときは、食べ方を変えるといいかもしれません。
①コンビニやスーパーの菓子パンで食事をすませる
忙しい日の朝や昼は、パンとコーヒーだけで食事をすませる人も多いでしょう。
買ってすぐに食べられる菓子パンは、おいしくてお腹も満たされるけれど、パンだけで食事をすませてしまうのはダイエットには向いていません。
野菜や豆、魚類も食べなければ、必須ミネラルなど人間に必要な栄養素が不足して、太りやすい体を作る原因になります。
②米や麺の炭水化物だけを食べて野菜や汁物を食べない
パン同様に、丼物や麺だけを食べて食事をすませる人は多いはず。米や麺は満腹感があり、これだけで満足して野菜や肉・魚など、ほかの食べ物を食べない人もいるのではないでしょうか。
このような人は、小さめのおにぎりや少量の麺類に変えてみてください。減らしたぶん、野菜や豆、魚類をプラスすると、満腹感を得ながら栄養バランスも偏らない、質の高い食事になるでしょう。
③コンビニのホットスナックをおやつ代わりにしている
コンビニのレジ横にあるホットスナックは、買ってすぐに温かいものが食べられるため、ついつい手を伸ばしたくなるもの。
しかしこれをおやつとして高い頻度で食べると、太りやすい体を作る原因になりかねません。
ホットスナックは揚げ物が多く、食べすぎると脂質を摂りすぎてしまいます。ダイエットの息抜きやご褒美として、たまに食べるくらいがよいでしょう。
コンビニの名前+メニュー名で検索すると、ホットスナックのエネルギーや栄養成分が記載されたページが見られるため、購入前にチェックしてみてもいいかもしれません。
④食事を改善せずサプリメントやダイエットドリンクに頼る
世の中には、ダイエットをサポートするサプリやドリンクがたくさんありますよね。スマホなどの広告を見ていると「すぐにやせられそう!」と飛びつきたくなります。
食べることで食物繊維などの栄養素が摂れるものでも、飲み物などに加工するとせっかくの栄養素がバラバラになることもあるのです。
あくまでも、サプリやダイエットドリンクはダイエットの補助として使用しましょう。
食事を中心としたダイエットの注意点とコツ
ダイエットは努力が必要ですが、がんばりすぎもNG。正しい知識を身につけて健康を保ったうえで、自分にできるダイエットの方法を見つけましょう。
ここでは、bis世代が気をつけたいダイエットの注意点とコツを紹介します。
①極度な炭水化物抜きや絶食は危険!
手っ取り早くやせたい人の中には、炭水化物抜きダイエット、食事そのものを抜くダイエットをする人も多いでしょう。
2~3日は食事を抜いて水分だけで過ごせる人はいるかもしれませんが、長期間食べずに生活することはほぼ不可能です。
このようなダイエットは一時的に「やせた」と感じるだけで、引き締まったボディを手に入れることはできないのです。
②一気に食事量を減らすと食べたい衝動に襲われる
食事量を一気に減らす、または上記のような炭水化物抜きダイエットや食事をしないダイエットは長く続かないもの。
その結果、極度に空腹を感じて食べたい衝動に襲われて、暴飲暴食をしてしまう……ということになりかねません。
食べないことがストレスになり暴飲暴食すると、ダイエットを諦めてしまいます。徐々に食事の量を減らすことを心がけましょう。
③外食や間食もメニューや量を間違えなければ太りにくい♡
ダイエット中は、外食やおやつを悪者にしがちです。しかし人付き合いがあれば、自宅以外でも食事をする機会があるもの。
外食や間食をするときは、上記で紹介した「やせるために積極的に食べたい食べ物」が使われたメニューを選べば太りにくいはずです。
毎日外食で好きなものばかりを食べたり、間食の量が多すぎたりしなければ、どんどん太ってしまうことはないでしょう。
④「何を選ぶか」よりも「何ならやめられるか」を考えてみる
ダイエットをがんばる人は「◯◯をしないといけない(食べないといけない)」と自分で自分を追い込む人も多いはず。
食事においては「好きなものを食べる代わりに、何なら我慢できるか」を考えてみてください。
たとえば、ずっと食べたかった大好きなハンバーガーを食べる代わりに、今日はフライドポテトは食べないとなど。
この考え方を毎日の習慣として取り入れることができれば、摂取エネルギーが消費エネルギーを超えることはないでしょう。
やせる食べ物はないけどやせるために欠かせない食事方法はある!
やせる食べ物がないことを知ると、ダイエットをがんばりたい女子にとっては少し残念かもしれません。
ダイエットは何かひとつだけ取り組めばOKということはないので、太ってしまう原因を見つけたうえでがんばりましょう。
・消費エネルギーより摂取エネルギーが上回る
・必要な栄養素が不足している
・体のエネルギー代謝が下がる、もしくは運動不足
・慢性的なストレスを抱える
このような原因から、太りやすい体が徐々に作られていきます。この記事で紹介した、やせるための食事、ダイエットの注意点に気をつけながら、健康第一で目標とするボディへ近づいていきましょう。
また、ダイエットに関する体の不調、本当にやせる必要があるのか自分で判断できないときは、医師や栄養士に相談してみてくださいね。
教えてくれたのは……管理栄養士 清水 沙穂理 さん
一次予防と食の正しい知識提供に貢献すべく活動。企業にて治療食を使った血液検査結果に基づく栄養相談を2000件経験他、歯科医院にて3000件の患者様とカウンセリングの経験を積む。現在は予防医療研究協会の講師として認定資格の指導やサロンのブランド化に貢献している。持っている代表的な資格として、管理栄養士、栄養経営士、歯科助手・歯科カウンセラー、ベジフルティーチャー、第一種衛生管理者がある。その他、ファイナンシャル技能士3級、茶道、琴の資格な公私共に幅広い資格を取得している。
Text_Ayumi