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Column / 2020.02.21

水野しず×小宮有紗「カフェ・ド・人間性」Vol.2~マンガ大好き一家に生まれて~

水野しずが「bis」に登場するモデルさんの“人間性”に焦点を当てて対談する「カフェ・ド・人間性」。今回は、女優/声優としても活躍する小宮有紗さんにお話を聞いてみました。

カフェ・ド・人間性

Vol.1はこちら
 
水野しず(以下、しず):そもそも子供の頃から明るい子でした?
 
小宮有紗(以下、小宮):人見知りで、今より全然おとなしかったですね。でも、クラシックバレエを小学1年生のときに始めて、それから少しずつ変わっていったかなと思います。住んでたのが栃木なので、町のバレエ教室みたいな感じだったんですけど、先生がすごく厳しかったんですよ。コンクールにも出られるように育てたいっていうくらいの熱意がある先生で、そこでバレエを続けていくなかで、自分を出していかなきゃダメだっていう気持ちが芽生えてきて。
 
しず:そこで感じた〝自分の出し方〟って、どういうものでしたか?
 
小宮:最初は群衆の中の一人だったけど、その中から先生の目につくように、少しでも上手に踊ろうっていう負けず嫌いな気持ちでした。特に、同い年で私より上手な子が一人いたので、その子にいつか勝ちたいっていう思いが強かったです。
 
しず:自分を出そうとしていくなかで、他人と違って自分はこういう部分が変わっているな、秀でているかもしれないなと感じたものはあります?
 
小宮:負けず嫌いなところもそうだし、あとは、本当に好きなことや熱中できることだったら、ずっと続けられるところ。同じことを続けるのは得意じゃないんですが、バレエは大好きで、中学3年生まで続けていました。
 
しず:一つのことに熱中して入り込む職人肌タイプなんですね。学校にはちゃんと馴染めていましたか?
 
小宮:すごく馴染めてたっていうわけではないかなぁ。小中はどちらかというと、地味めな子達のグループに属してました。
 
しず:オタク的な気質はあった?
 
小宮:ありました。昔から少女マンガが大好きで、ずっとマンガを読んで育ってきたので。『ちゃお』『りぼん』『なかよし』あたりは通ってきました。
 
しず:少女マンガのどういうところが好き?
 
小宮:中学や高校が舞台のマンガが多いから、ちっちゃいころは単純に憧れの気持ちが大きかったです。でも結局、高校から女子校に進学してそういう青春時代を経験できなかったので、今はそのキラキラやトキメキを補うみたいな意味合いですね。
 
しず:少女マンガのほかに、幼少期によく触れていたコンテンツはありますか?
 
小宮:マンガばっかりだったと思います。両親もマンガが好きなんですよ。父親は『頭文字D』や『湾岸ミッドナイト』が好きで家にあったので、私も読んでました。
 
しず:『頭文字D』、私も好きです。
 
小宮:おもしろいですよね。その影響なのか、父親は 昔、GT-Rに乗っていたんですよ。
 
しず:すごい!お父さんカッコいい!
 
小宮:私が生まれる前は、トヨタに乗っていて。
 
しず:マンガみたいなお父さんですね(笑)。
 
小宮:ちっちゃいころは栃木にあるレースサーキットに連れていってもらったりもしてました。それとは真逆で、母親は『のだめカンタービレ』や『ピアノの森』みたいな音楽系のマンガが好きで。家のリビングにも父親と母親のお互いの部屋にも、本棚があってマンガが置いてあるっていう(笑)。
 
しず:英才教育じゃないですか(笑)。高校に入っても趣向は変わらず?
 
小宮:そうですね。むしろ女子校で、クラスの半分くらいがオタクだったので、より深くなっていったと思います。全然興味ないのに、ある日突然BLものを渡されたり(笑)。
 
しず:(笑)。読みましたか?
 
小宮:読みましたよ。最初はもう、衝撃ですよね。こんな世界があるのかって。でもちゃんと読んでみると、ただのエロじゃなくて、人間関係がめちゃくちゃ深く描かれてるのがわかって。
 
しず:ディテールへの想像力にハッとしますよね。
 
小宮:そう。だからすっと入れました。
 
Vol.3に続く……
 
 
Artwork&Interview_Shizu Mizuno