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Column / 2020.01.11

読めば読むほどハマる♡2020年に挑戦したい海外コミックを紹介!

インスピレーションを刺激してくれるビジュアルブックを紹介する連載企画。今回は、近年翻訳版が次々と出版され、話題を集める海外コミック。左開きで進行するストーリーと美しいイラストレーションで、まだ見ぬマンガの新体験を。
 

世界から届けられたコミックの新潮流


フード付きニット¥51,000/ヤンヤン(リディア)
 
日本発のカルチャー「MANGA」は世界中で親しまれていますが、フランスやベルギーなど仏語圏ではバンド・デシネ(通称BD)という形態のコミックが一般的。日本の漫画単行本と比べると、大判のハードカバーが主流でフルカラーの作品も多く、その画集のような出版スタイルから「第九の芸術」なんて呼ばれていたりもします。

今回ご紹介するバスティアン・ヴィヴェスは新世代のBDカルチャーを牽引する作家の一人。くっきりとしたモノクロームの陰影が印象的な作風は、スタイリッシュでありながら読みやすく、海外コミックに馴染みのない読者にもオススメです。新作『年上のひと』は13歳の少年と16歳の少女との避暑地での出会いの物語。ひと夏の白昼夢のような記憶と、センシティブな心象風景がとてもリアルに描写され、読み進めるのが息苦しいほど……。

作者の過去作『塩素の味』や『ポリーナ』、映画化も話題となったジェリー・マロ著の『ブルーは熱い色』をはじめとしたBD作品を中心に、様々な海外コミックが翻訳される機会が増えてきています。この作品をきっかけに、いろいろな国のコミック文化に触れてみてはいかがでしょうか?


「年上のひと」
作/バスティアン・ヴィヴェス 訳/原 正人
2019年/¥1,500(リイド社)
 

関連本も要チェック!


「エロイーズ 本当のワタシを探して」
著/ペネロープ・バジュー&ブレ 訳/関澄かおる
2015年/¥1,800(DU BOOKS)
 
ある日突然、過去の記憶を失った女性が、周囲から情報を集めながら自身の過去を探っていくという物語。ミステリーとコメディを交ぜたような作風に加え、オールカラーで楽しめる配色センスも抜群の可愛さです。
 

「スピン」
著/ティリー・ウォルデン 訳/有澤真庭
2018年/¥1,600/河出書房新社
 
アメリカ・ニュージャージー出身の作家による自伝的作品。アイススケートの練習に明け暮れた少女時代の記憶を細やかな心理描写で綴り、余白を生かした静謐なタッチから、登場人物の体温や、場の空気感が伝わってくるよう。
 
Selected by……Tomo Hatori
’90年代より都内某所の写真集専門店に勤務。現在は世界中のアンダーグラウンドなミュージシャン。美術作家を紹介するレーベル「KODANUKI PRESS」の企画、制作を担当。

 
 
Photo_Ittetsu Matsuoka Styling_Sumire Hayakawa(KiKi inc.) Hair&Make-up_Raishirou Yokoyama(Yolken) Model_Anna Yamada Text_Tomo Hatori Edit_Sakiko Fukuhara