Column / 2018.01.02
人生の一冊になるかも♡【bis BOOK_vol.1】
探せば探すほど、自分にとって特別な一冊に出会えるビジュアルブックの世界。今回は1970年代からフォトコラージュ、音楽、舞台とマルチな活動を続けるアーティスト、リンダー・スターリングを紹介。
ファッション的視点でも楽しめる“超現実”な作品に触れてみて。
『LINDER:WOMAN / OBJECT』
2013年/Walther König(Amazonで見つけられることも)
イマジネーションの翼を広げるフォトコラージュの世界
70年代後期から、パンクバンドのレコードジャケットやフライヤーのビジュアル制作を手掛けてきた女性アーティスト、リンダー・スターリング(1954年~)。
スタイリッシュなポストパンクバンド「Ludus」のボーカリストとしてもシーンのキーパーソン的存在です。
(レディー・ガガが2010年に着用した「生肉のドレス」のアイデアも、すでにリンダーが1982年のライブ衣装で試みていたとか)。
この本は、2013年にパリで開かれた展覧会の際に作られたカタログ。
グラビア雑誌のような体裁で、初期から近年までの作品がシャッフルされた楽しい一冊。セルフポートレートやファッション写真、ポルノ雑誌、家電広告などを素材にしたコラージュ作品は、一度見たら忘れられない強烈なイメージを放っています。
身近なイメージを組み合わせて“超現実”に導く手法は、フォトコラージュのオリジネーター、ハンナ・ヘッヒ(1889年~1978年)の作風とも通じます。
近年は、パフォーマンスアートの世界でも活躍し、バレエシアターとのコラボレーションも展開する彼女。
二次元から三次元へと活動を広げるリンダーの世界を、まずはこの一冊から体験してみて。
関連本もCheck it!
『LINDER:WORKS 1976-2006』
2006年/jrplringier(Amazonで見つけられることも)
リンダーの30年間にわたる活動を、フォトコラージュ作品のほか、ドローイングや写真、バンド時代の資料、手紙などから多角的に紹介した一冊。友人のミュージシャン、モリッシーによるエッセイも収録されています。
『はるかな旅:岡上淑子作品集』
2015年/河出書房新社¥3,700
日本からも幻のフォトコラージュ作家、岡上淑子の自選作品集をご紹介。1950年代のファッション誌やグラフ誌を大胆に切り出した、シュールレアリスティックな作品の数々は、唯一無二の存在感。随筆『私とコラージュ』も再掲載。
Selected by Tomo Hatori
90年代より都内の写真集専門店勤務。現在はアンダーグラウンドなアーティストを紹介するレーベル「Kodanuki Press」でカセットテープやアートブックの企画、制作を担当。
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photo
Akihito Igarashi(TRON)
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model
Fanni Csajagi(DONNA)
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styling
Tetsuya Nishimura
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hair & makeup
Tomomi Fukuchi
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other
Tomo Hatori
Sakiko Fukuhara