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Column / 2017.07.26

疲れた夜に読みたい 名作ブックリスト

学校やお仕事から帰ってきてへとへとになった夜は、少しだけ文章に触れて休んでみませんか? 疲れた心にも沁みる、名作を紹介します。

『若き詩人への手紙 若き女性への手紙』/リルケ、高安国世訳(新潮文庫)

 

リルケが二人の人物に、それぞれ宛てた手紙。「若き詩人への手紙」は詩人・カプスに向けて生死や孤独への悩みについて答え、「若き女性への手紙」は教養に富む女性に対して、人間的なあたたかみと誠実さを説いています。

思い悩む複雑な心に、真摯に伝えたリルケの文章は、厳しくも温かい気持ちになれるはず。

あなたの御判断に、それ自身の静かな、乱されない発展をお与えになって下さい。それはすべての進歩と同じように、深い内部からこなければならぬものであり、何物によっても強制されたり、促進されたりできるものではありません。

 

『心の青あざ』/フランソワーズ・サガン、朝吹登水子訳(新潮文庫)

セバスチャンとエレオノール、二人の兄妹を描いた戯曲「スウェーデンの城」の続編。

物語の間にはサガンの独白が挿入されており、物語を書くことに苦心をしているさまや、彼女の恋愛観や政治観、フランス社会に対する憤りも読み取ることができます。

自分の中に迷いができたときに、力になってくれる文章です。

人が考えているのとは反対に、怠惰は仕事と同じくらい激しい麻薬なのだ。