奇と美は互いを慈しむ。構成と詩／川谷絵音

変わったことが映えるなら
1秒1秒無駄にして
見せびらかす程度の私を演じては
「綺麗でしょ」
って顔をする

シャツ¥52,700、ダウンマフラー¥79,000／ともにサーロイン（MATT.）　ロングジャケット¥90,000／アツシ ナカシマ（シアン PR）　パンツ¥52,800／MIKIOSAKABE（ミキオサカベ）　その他／スタイリスト私物

肉屋の向かいの香り付けが
上手くいったベンチでまた映える
何かを待つわけではないから
少しの傲慢さが必要ね

あの人は歌った
「なんだっていいだろ
とは声に出せずに
下手くそな不機嫌演技
疲労したんだっけ」

今がまさにそれ

コート¥89,000、ジャケット¥92,000、スカート¥48,000／すべてケイスケ ヨシダ　シャツの上に着たビーズベスト¥5,500／ベッド　ロングシャツ¥39,000／MIKIOSAKABE（ミキオサカベ）　キャスケット¥46,000／ミサハラダ ロンドン(talk co., Itd)　その他／スタイリスト私物

私が一番好きで一番嫌いなもの
何が美かわからない
これが美だと思い込むしかない
景色から浮き出る人々が
画面の外では奇を見る目で並んでいた
それすらも愛おしい
そう思い込む

気付けば遠くに　遠くに
着てしまった
奇は美になり
美は奇になり
違いは理解しあえるけど
今私はどちらなのかわからない
でもきっと大丈夫
だって私は美しいんだから