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Column / 2018.11.27

夢と現実を行き来するような世界観にアーティスト達も魅了される『不思議の国のアリス』の世界

好奇心をかき立ててくれるビジュアルブックを紹介する企画。今から150年ほど前、ルイス・キャロルが生み出した『不思議の国のアリス』。夢と現実を行き来するような世界観に、今なお多くの芸術家が惹きつけられています。

 

アーティスト達も魅了される 『不思議の国のアリス』の世界

『LEWIS CARROLL’S ALICE’S ADVENTURES in WONDERLAND With artwork by YAYOI KUSAMA』
2012年/Penguin Classics

大学で数学講師をしていたルイス・キャロルが即興で作った物語をもとに、画家、ジョン・テニエルの挿絵を添えて出版された奇妙な児童書『不思議の国のアリス』(1865年)と続編『鏡の国のアリス』(1871年)。この物語はアーティスト達のクリエイティビティを刺激し、現代に至るまで、絵画、映像、音楽など、多くの二次創作物が生まれてきました。特に、映像化作品はディズニー版『ふしぎの国のアリス』(1951年)を筆頭に、ヤン・シュヴァンクマイエルによる実験アニメーション版『アリス』(1988年)や、ティム・バートン監督による『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年)など 、どれも傑作揃い!2012年に出版されたこの本は、イギリス在住のデザイナー、ステファニー・ポサヴェックが、現代美術家、草間彌生の初期から近年までの作品をキャロルの原作に合わせて再構成した一冊。グラフィカルに構成されたタイポグラフィーや布貼りの装丁にいたるまで凝りに凝った造本は、「いつも手元に置いておきたい」と思わせる魅力があります。

 

翻訳版はこちら!

『不思議の国のアリス With artwork by 草間彌生』
著/ルイス・キャロル 挿絵/草間彌生 訳/楠本君恵 2013年/グラフィック社 ¥2,500(グラフィック社)

 

関連本も要チェック!

『不思議の国のアリス』

著/ルイス・キャロル 画/ヤン・シュヴァンクマイエル 訳/久美里美 2011年/国書刊行会 ¥2,700(国書刊行会)

チェコを代表する映画作家、ビジュアルアーティストのヤン・シュヴァンクマイエル。アリスの挿画作家、ジョン・テニエルへのオマージュとして作られたこの本は、コラージュやフロッタージュを駆使したシュールな世界。

 
『Daydreams』

ニコレッタ・チェッコーリ
2014年/Logos Amazonで見つけられることも。

ファンタジーとホラーの境界線を彷徨う少女達を描いたイラストで知られるアーティスト、ニコレッタ・チェッコーリの絵本作品集。最終章「Almost Alice」は『鏡の国のアリス』のダーク・ファンタジー版といった雰囲気。

 
Selected by Tomo Hatori
’90年代より都内某所の写真集専門店勤務。現在は世界中のアンダーグラウンドな美術作家を紹介するレーベル「KODANUKI PRESS」の企画、制作を担当。

  • photo

    Miri

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    Amy

  • styling

    Karen and Miki

  • hair & makeup

    Miri

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    Tomo Hatori
    Sakiko Fukuhara
    Yui Morishita