Column / 2018.11.11
気品は退廃より蒼く direction by 川谷絵音
私が遅れたのではなく
季節が遅れたんだと
いつも外では言い訳を
いつも中では悔やみ切る
わがままな感性も、甘えてくる心臓も
親が与えたものだと
あっ
美しさも
「今日だけは夏の夜のマジックで
今夜だけのマジックで
歌わせて
今なら君のことがわかるような気がする」
ってさ、本当にわかる?
歌詞みたいなフィクションが風流なら
それを感じるまで
私は夏をずっと終わらせない
蛙の子は蛙
確かめるようにメロディを口ずさむ
時折流れる下手なピアノが
何故か団地に響き渡って
それはそれで風流だなんて
そんなこと思ったら夏が終わっちゃうじゃないか
今日も蒼かった
私の気品が孤独を消した
私の夏が終わる前に
幻の退廃を慈しむ
何にもないから美しい
のかなぁ
わからないことも美しいとか
そんなどうでもいいことを考えてます
夏が終わったって
私はいつまでも夏のまま
だといいなぁ
衣装協力/着物レンタル花ごよみ 六本木店
浴衣レンタルと着付け(下駄のレンタル込み) ¥5,400〜、かごバッグレンタル ¥1,000〜 ※価格は税込み
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photo
水谷太郎(BE NATURAL)
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model
甲斐まりか
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hair & makeup
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