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Column

Column / 2017.06.15

How to grow my wings

「もしも羽根があったなら」

その妄想は現実にはならなかったけれど

大人になった私はある程度の想像を

現実として叶えられるようになった。

男の人は私のことを小悪魔と呼ぶ

それっていまいちよくわからない

 

 

目が覚めたら、30分くらいベッドの中でごろごろする。

寝具にはこだわりがあって絶対白で統一、フリル付き。

ガーゼっぽい優しい肌触りの素材が好きだ。

無意識だけど、寝ているときくらいは

羽根を夢見て暮らしていたいのかもしれない。

 

それから

歯を磨いて、水を飲んで、髪をとかす。

猫っ毛だから大抵絡まっている。

ふにゃふにゃした髪の毛は

私の希望の形にとどまってくれない。

 

私と髪のコミュニケーションは最低レベルだ。

方向性の違いで解散したいけれど、

そうもいかないから惰性的な関係を続けている。

 

私の髪なんて全然つまんないのになぜか良く褒められる。

外国人みたいな毛質、らしい。

外国人の毛質ってこんな感じなの?

 

飲みものと言えば、水が基本。

水、お茶、牛乳(飲むヨーグルト)、オレンジジュース、コーヒー。

その5個以外の飲み物は私には必要ないので

この世からなくなってもらっても構わない。

実は炭酸飲料って飲んだことがない。

生まれてこのかた経験しないで生きてきたから

なるべくこのままその歳月を重ねていきたい。

謎のこだわり。謎のこだわりが私を形づくっている。

 

とはいえ、そのこだわりの壁を超えてみると

案外たいしたことないんだよな。すべてのことが、きっと。

 

 

今日はどこに出かけよう。

私の毎日はとても気ままだ。

おしゃれなカフェも好きだし、汚いラーメン屋さんも好き。

甘いものに対してはあんまり興味がないんだけれど

行きたいケーキ屋さんのリストは増え続けている。

 

甘いスイーツを摂取したいというよりも

ケーキ屋さんやコーヒー屋さんみたいな

日常と非日常の間に存在するお店が好き。

食べることや飲むことが本来の目的ではなく

目で見たり、香りを嗅いだり、その空間を楽しめる場所は

少しの間、私を現実から浮かせてくれる。

 

ふわっと一瞬、羽根が生えたみたいに。

 

世の女性たちは

その感覚を求めてケーキを食べているのかな。
どうなんだろう。

そうだとしたら嬉しいなと思う。

  • photo

    Yui Fujii

  • model

    Raimu Taya

  • hair & makeup

    Hiromi Kawahara