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Column / 2022.12.07

元HKT48村重杏奈、禁じられたアイドルの恋を綴る…イラスト×超短編小説×音楽の1 PICTURE 1 STORY Vol.6

bisで連載中のイラスト×超短編小説×インスパイアソングで世界観を表現する次世代プロジェクト「1 PICTURE 1 STORY」。Vol.6のストーリー作家は、2021年末にHKT48を卒業してバラエティ番組やモデルなど幅広く活躍する、村重杏奈さん。11月に発売したフォトブック『びびぐら 村重杏奈』(講談社)で見せた美BODYでも話題の彼女が、初小説作品で“禁断”に挑戦しました。

思春期をずっとアイドルとして過ごしてきた村重さん。今作では、相方イラストレーターのmapleさんの“小指に赤い糸をつないだアイドルのX’mas”を描いたビジュアルをもとに、聖夜をクライマックスにした「アイドルの理想の恋」を男の子の目線で綴ります。

幼なじみの2人のあいだには、大切にしてきた「合言葉」が。アイドルになる夢を叶えてどんどん遠い存在になっていくアヤカに、いつしか約束への信用も揺らいでいく高校生男子の「僕」=タキ。恋人と迎えたX’masに起こる、運命を決める出来事とは——。mapleさんの描いた、切なさと決意を秘めたアイドルの眼差しとともに、本作の衝撃展開をお楽しみに!

1PICTURE1STORYとは?

イラストレーターが描く1枚の作品と、それをもとに綴られたひとつのショートストーリーを掛け合わせて生まれた「原案」をコンテンツ作品とする、新時代の表現プロジェクト。「原案」の世界観からインスピレーションを受けて作られた「インスパイアソング」をイラスト×ストーリーと掛け合わせ、国内外に新しいエンターテインメントを発信。今後は、コミック、Webtoon、ドラマ、アニメーション、朗読劇化など、クロスメディアで作品を展開予定。

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ラヴ侵入禁止令

「私、アイドルになるんだ!」
『そっか(えっ…)』
「タキも子供じゃないんだから、好きな人でも作りなよ」
『 …うん(あの“約束”は?)』

僕とアヤカは家が隣同士の幼なじみ。アヤカは昔から大雑把で男勝りだったから、背が低くて泣き虫だった僕にとっては頼もしい存在で、幼い頃の僕はいつもアヤカの後ろに隠れていた。そんな僕たちは一緒にいるのが当たり前で、合言葉は「ウチらずっと一緒だよね」。僕はその言葉をずっと信じてきたし、大人になったら当たり前のように結婚するものだと思っていた。

高校生になった頃、僕はアヤカを女性として好きになった。アヤカのオーディション合格は、そんなタイミングのことだった。

「私、頑張るから!」
『…おめでとう、応援してるよ』

アイドルは、アヤカがずっと僕に話してきた夢だ。嬉しい反面、合言葉を信じていたのは僕だけなんだと寂しくなった。

アヤカは、たちまちスターになった。僕たちは月に数回、朝の一瞬しか会うことがなくなった。アヤカは仕事へ、僕は学校へ。もう“ずっと一緒”にはいられない。アヤカは今日も疲れた表情で、マネージャーの車に乗り込む。
『アヤカ、大丈夫?』
心配で背中に声をかけたけど、言葉は届かない。そのまま僕たちの距離は、どんどん離れていった。

何か頑張らなきゃダメだと思った僕は高校でサッカー部に入った。部活を始めると、小さかった身長や肩幅も大きくなった。

「一目惚れしました! 付き合ってください」
高校2年になって、1個下のイオリに告白された。

『ごめん、忘れられない子がいる』
「…私、諦めませんから」

その日から、イオリの強烈なアピールが始まった。
「先輩、お弁当作ってきたんで食べてください」
「先輩のジャージ、大きすぎてぶかぶかぁ〜(笑)」
高校3年の11月、僕はイオリと付き合うことにした。

今日は初めてのクリスマスデート。正直もうアヤカへの気持ちは、ほとんどなくなった。イオリの隣は、居心地がいい。
ふいに、懐かしい視線を感じた。人混みの中に一人、僕をまっすぐ見つめる女の子がいる。え…アヤカ? アヤカは僕とイオリを見て、目から大粒の涙を流すと、その場にしゃがみこんだ。生まれて初めて見たアヤカの泣き顔に居ても立ってもいられず、僕はそばに駆け寄って自分の上着を被せた。

『何やってんだよ! こんなところにいたらバレちゃうだろ』
「…私だって、“約束”を忘れたわけじゃないよ」

クリスマスで賑わう街の中、僕にしか聞こえない声でそう言ったアヤカは、僕の手を振り払って立ち上がり、去っていった。とてもデートを続けられなくなった僕は、イオリと解散した。

——俺、アヤカのこと忘れられない

次の日の朝、家のチャイムが鳴った。アヤカが立っていた。

「昨日女の子と歩いてるタキを見て、改めてタキのこと好きなんだなって思った」
『…(昔から自分勝手なんだよな)』
「だからアイドルを卒業するまで待っててほしい」
『 ……(強引なところも、何も変わってない)』
「じゃあ頑張ってくる」

僕の返事を待たずに、アヤカは仕事へ向かっていった。僕はいつだって、アヤカに振り回されている。でもずっと、そんなアヤカが大好きだった。

『アヤカ、頑張ってね』

ストーリー/村重杏奈

2012年にHKT48の1期生としてデビューし、2021年12月に卒業。日本とロシアのハーフ。明るくユニークなポジティブキャラでバラエティ番組を中心に活躍する一方、モデルとしても活動の幅を広げる。ファースト写真集『びびぐら 村重杏奈』(講談社)が好評発売中。


「もともと少女漫画とか恋愛小説が大好きで、今回のストーリーは自分がいちばん読みたかった感じの内容にしました!! 自分でも続きが気になってしょうがないくらい、素敵なストーリーになったと思います! ぜひ沢山の方に読んでいただきたいです!」

Twitter:@annashige0729
Instagram:@hktanna4848

イラスト/maple

「元気で可愛らしい女の子」を好んで描くイラストレーター。SNSを中心に作品を発表し、アパレルコラボ、アーティストMV、グッズイラストなどジャンルを問わず活躍中。

「アイドルだからこそ恋愛したい年頃に恋愛できない。想い人がいる寂し気な女性を描きました。」

Twitter:@sakuraxx0905
Instagram:@koreeda7896

インスパイアソングが12月14日(水)から配信開始

『ラヴ侵入禁止令』をもとに作られた、今回のインスパイアソング『I don’t wanna be lonely〜クリスマスに恋をしよう〜』。EXILEほか多くのアーティストに楽曲提供をしているDaisuke”DAIS”Miyachiが作詞を、韓国4人組ボーイズグループ「2AM」のリードボーカルであり近年はサウンドプロデューサーとしても活躍するイ・チャンミンが作曲を担当する、共同プロデュース楽曲です。
シンガーは、1 PICTURE 1 STORYでは初となる5人組ユニット「Noel」。ストーリー担当の村重さんを筆頭に、現役アイドルの松下玲緒菜さん(まねきケチャ)、津代美月さん(JamsCollection)、奥津マリリさん(フィロソフィーのダンス)、籾山ひめりさん(高嶺のなでしこ)が特別ユニットを組んでクリスマスソングをお届けします。
また配信同日には、1 PICTURE 1 STORY公式YouTubeチャンネルでMVも公開。どうぞお楽しみに!

・楽曲情報/
『I don’t wanna be lonely〜クリスマスに恋をしよう〜』
Noel (2022 feat. 村重杏奈/松下玲緒菜/津代美月/奥津マリリ/籾山ひめり)

・配信開始/2022年12月14日(水)
iTunes、Apple Music、Amazon Music、Spotify、LINE MUSICを含む主要音楽配信サービス

Music&Produce/イ・チャンミン(2AM)

韓国4人組ボーイズグループ「2AM」のリードボーカル。日本ではソロアーティストとしてだけでなく、3人組ボーカルグループ「250(TWO-FIFTY)」のメンバーとしても活動。2021年に2AMが待望のニューアルバムリリースで約7年ぶりにカムバックし、圧倒的な歌唱力で世界中のファンを熱狂させた。宇宙少女のユニット「CHOCOME」の『Super Yuppers!』をはじめ、サウンドプロデューサーとしても活動中。


「今回の楽曲は、僕のサウンドプロデュースチーム「theBsky」で制作しました。皆さんがこの歌を聞いて、楽しい素敵なクリスマスになればいいなと思い、クリスマスの雰囲気をたっぷり盛り込みました。歌いやすいメロディーだと思いますので、Noelのメンバー全員が歌うサビを一緒に歌って貰えるとうれしいです。」

Twitter:@2AMCHANGMIN
Instagram:@p.f.changmin

Lyrics&Produce/Daisuke”DAIS”Miyachi

音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、エンタテインメント総合プロデューサー。EXILE/EXILE ATSUSHI/FANTASTICS from EXILE TRIBE/THE RAMPAGE from EXILE TRIBE/CHEMISTRY/倖田來未/倉木麻衣/ASTRO/DEEP SQUAD/イ・チャンミン(2AM)/田原俊彦ほか、多くのアーティストに楽曲提供している。

「村重さんのストーリーから「クリスマスに恋をしよう」というテーマで、ワクワクする歌詞にしたいと思い、また、チャンミンの楽曲がとてもハッピーなので、リズムに言葉が上手く乗るようにと心がけました。皆さんとのレコーディングが楽しくて、少し早いクリスマスを感じて、今年のクリスマスが楽しみになりました! ぜひ聴いてください!」

Twitter:@daismusic250

シンガー/Noel(2022 feat. 村重杏奈/松下玲緒菜/津代美月/奥津マリリ/籾山ひめり)

村重杏奈(元HKT48)

「アイドルを卒業して初めて歌いました! レコーディングの感じとかとっても懐かしくて楽しかったです! 歌詞もメロディーもクリスマスにぴったりな可愛い曲になってます!  TikTokとかでバズってくれたらいいなぁと思います!」

松下玲緒菜(まねきケチャ)

生まれながらのアイドルと称されるほど、天真爛漫で愛くるしい「まねきケチャ」のセンター。圧倒的な歌唱力を持ち、感情豊かに歌う姿は多くのアイドルファンを虜にする。また『週刊プレイボーイ』(集英社)では、初グラビアにして表紙・巻頭に抜擢、その勢いのままテレビ東京『キングちゃん』のアシスタントMCにも抜擢されるなど、これからの活躍が期待される“ザ・アイドル”。2nd写真集『in the seasons』(光文社)が好評発売中。

「今回のプロジェクトに呼んでいただけて本当にうれしいです! クリスマスソングでとっても可愛いらしい歌になっています! レコーディングでは、わたしらしさを出しつつ、楽曲にあったポップさを出せてたらいいなと思います! みなさんぜひ聴いてくださいー!」

Twitter:@matsushitareona
Instagram:@matsushita_reona

津代美月(JamsCollection)

2000年10月16日生まれ、大阪府出身。ニックネームは「つし」。2020年に津代が率いる新グループとしてオーディションが開催され、発足したグループが現在の「JamsCollection」。担当カラーはパープル。Instagramのフォロワーは10万人を超え、インフルエンサーやモデルとしても活躍。特技は、人に関西弁をうつすこと。


「歌はあまり得意ではなくお話を聞いた時は不安でしたが、豪華な方々の中で出来たことがとてもうれしいです。クリスマスにぴったりな、るんるんになれる曲です! 楽しみにしていただけるとうれしいです…!」

Twitter:@mizuki_jams
Instagram:@__tsushiromizuki

奥津マリリ(フィロソフィーのダンス)

FUNK・SOUL・DISCOのグルーヴに、哲学のエッセンス、そしてコミカルで個性的なダンス! 数々の音楽ファンをうならせてきた最強の5人組アイドルグループ「フィロソフィーのダンス」のメンバー。神奈川県出身で加入前はシンガーソングライターとして音楽活動をしており、スイートでメロウなボーカルは「脳トロ」と形容される。恵まれた体型を活かし、グラビア・モデルとしても「マリチチ」を武器に活動中。


「普段はなかなかできない経験で、とても新鮮で楽しくレコーディングさせていただきました!!! 素敵な機会をありがとうございます!! 耳に残るメロディーとこの曲でしか味わえないメンバーでのコラボをぜひお楽しみいただけたらと思います!!」

Twitter:@philosophy092
Instagram:@okutsumariri

籾山ひめり(高嶺のなでしこ)

栃木県出身の18歳。クリエイターユニット「HoneyWorks」がサウンドプロデュースする10人組アイドルグループ「高嶺のなでしこ」でキャプテンを務める。前所属グループ「ラストアイドル」時代には、メンバー初のソロ楽曲『To the Top』をユニバーサルミュージックより配信リリース。宝島社「mini」でレギュラーモデルを務め、舞台『球詠〜VS 影森・梁幽館編〜』では主演を務めるなど、アイドル以外の分野でも多岐に渡り活動中。


「素敵な方々と一緒に企画に参加させていただいて、そして歌うことが出来てとても光栄です。レコーディングはとっても緊張していたのですが、たくさんアドバイスをいただき自分らしく歌うことができました!! 最高のクリスマスソング、ぜひたくさん聴いていただけたらうれしいです♡」

Twitter:@himeri_momiyama
Instagram:@momichan_hime