ぺえがイラストレーター＆ボカロPとコラボ！ 新表現プロジェクト「１PICTURE１STORY」Vol.1

公式YouTubeチャンネル「ぺえ」の登録者数は約35万人！　『SCHOOL OF LOCK!』（TOKYO FM）5代目教頭としても活躍中のぺえ。ぺえがストーリー原案者を務めた、イラスト×超短編小説の新プロジェクト「１PICTURE１STORY（通称・ワンピク）」第1弾作品が、12月1日発売のbis1月号で初お披露目。今回は、インスパイアソングのリリースも間近な第1作と、クリエイターが共同で作り上げる“新しい表現スタイル”の概要をご紹介。ワンピクから、エンタメ新時代が始まります！

１PICTURE１STORYとは？

イラストレーターが描く1枚の作品と、それをもとに綴られたひとつのショートストーリーを掛け合わせて生まれた「原案」をコンテンツ作品とする、新時代の表現プロジェクト。「原案」の世界観からインスピレーションを受けて作られた「インスパイアソング」を、イラスト×ストーリーと掛け合わせ、国内外に新しいエンターテインメントを発信。今後は、コミック、Webtoon、ドラマ、アニメーション、朗読劇化など、クロスメディアで作品を展開予定。

すべての絶望は、夜に吸い込まれていく。

「今日まで私を助けてくれてありがとう。でも私は、もう戦うのをやめることにしました。いつか、どこかで、また会える日を楽しみに」

私のところに1枚のイラストとともに、この文章がDMで送られてきたのは、3日前だ。それから彼女の更新はパッタリと止まったまま。彼女は今、どこで何をしているんだろう。

そもそも、彼女は有名なイラストレーターで、私はその一ファンに過ぎなかった。彼女はSNSで盗作騒動に巻き込まれ、徐々に彼女に対する誹謗中傷、心ない書き込みが増えていった。こうなると、もう、止まらない。自分の個人的な鬱憤を、彼女を使って晴らしたいと思うアンチがどんどん増殖して、事態は急速に悪くなっていった。

私に何ができるだろうか。広大なネットの海のなかで、私は、自分自身がとてもちっぽけな存在に思えた。裏を返せば彼女は、途方もない数の悪意と今、一人で戦っている。

それでも私は、何もしないではいられなかった。彼女に対する暴言を吐くアカウントに、ひとつひとつ必死に反論していった。それは焼け石に水のようにも見えたし、ともすれば、火に油を注ぐ行為にも見えた。でも、味方がいるんだということが、彼女に少しでも伝われば、彼女の希望になれば…そんなありえない願望を抱きながら、私はひたすら、その作業を続けた。

炎上なんて3日も経てば収まるものだけど、彼女の炎上は常軌を逸していた。その矛先は、彼女の家族や実家の特定、別のアラさがしにまで及んだ。

彼女からDMが送られてきたのは、そんなときだった。

イラストは、建設が中止になったと思われるビルから吊り下げられた鉄骨の上に、彼女と“誰か”が身を寄せて座っている。あたりには何もない。殺風景。これは、彼女が想像するネット空間の暗喩だろうか。そして……寄り添っているのは、たぶん私だ。なぜなら、私がアイコンにしているぬいぐるみがそばに描かれていたからだ。彼女は最後に、このイラストを私に描いてくれたんだ。私は条件反射的に、生きよう、と思った。彼女のぶんまでなんて、かっこいいことは言えない 。でも、生きること自体が、救いになることもある。

私は頭のなかで想像した。
イラストのなかの鉄骨は、今にも落ちそうで危なっかしく見えた。でも、私には、なぜか落ちないという確信があった。私はゆっくりと鉄骨の上に立ち、深呼吸して、呼吸を整えると、勢いよく、ビルのほうにジャンプした。瞬間、風を切って、風に乗る感触があった。どこまでも、そしていつまでも飛べそうな気がした。

イラスト／chooco

2021年、金融業からフリーのイラストレーターに。青を貴重としたイラストをメインに、広く壮大な風景をSNSで発信。CDジャケットやキービジュアル、キャラクターを含めたイラスト等幅広い分野で活動中。
Twitter：@chocoshi3

ストーリー原案／ぺえ

「ジェンダーフリーの謎のショップ店員」として、SNSやテレビのバラエティ番組などで一躍話題に。2021年には、10代向けワイドラジオ番組 『SCHOOL OF LOCK!』（TOKYO FM）の「5代目新教頭」としてMCを務める。自身のYouTubeチャンネル『ぺえ』では、媚びることのないバリエーション豊かな投稿で、幅広い世代から圧倒的支持を得ている。
Twitter：@peex007
YouTube：ぺえ

ストーリー執筆／神田桂一

大阪府出身、関西学院大学法学部卒。一般企業勤務から、週刊誌やwebニュースの記者などを経て独立。カルチャー記事からエッセイ、ルポル タージュ、漫画原作まで幅広く執筆。現在、『ヤングキング』（少年画報社）で漫画『めぞん文豪』を原作者として連載中。近著は『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』（宝島社／菊池良と共著）、『台湾対抗文化紀行』（晶文社）など。

インスパイアソング『will （feat. Teary Planet / Day and Night）』が12月22日（水）配信スタート！

１PICTURE１STORYの第1弾作品「すべての絶望は、夜に吸い込まれていく。」をもとに、気鋭のボカロPユニット・Teary Planetが楽曲を制作。「誹謗中傷」「炎上」 の現実と向き合うふたりの少女の目線で制作されたインスパイアソング『will （feat. Teary Planet / Day and Night）』が12月22日（水）より、iTunes、Apple Music、Amazon Music、 Spotify、 LINE MUSICなど主要音楽配信サービスにて配信を開始します。

・予約開始／12月18日（土）→iTunes、Amazon Musicのみ
・配信開始／12月22日（水）→iTunes、Amazon Music、Apple Music、Spotify、LINE MUSICを含む主要音楽配信サービス

楽曲制作／Teary Planet

Nanao（コンポーザー・アレンジャー・ボーカル・ギター）、 Youli（ドラム）、 Chio（ピアノ）からなるクリエイターチーム。 VOCALOID楽曲の投稿をメインの活動とし、セルフカバーや楽曲提供等もおこなう。繊細で透明感・疾走感のあるバンドサウンドと、青空・夕空をイメージしたくなる世界観で10代～20代に支持されている（Special Thanks／Bass：Igo）。

Twitter：@Teary_Planet
YouTube：Teary Planet

シンガー／Day and Night

ninaとfuuの「陽と陰」対となるふたりが組む、“ツインギターボーカル”のシンガーソングライターユニット。即興ソングや心地いいハモりを得意とし、TikTokでバズった動画は350万回再生突破、一日でフォロワーが2万人以上増加した。YouTubeにアップした曲も、一日で再生回数2万9千回突破するなど人気上昇中！
Twitter：@dayandnight_jp
Instagram：＠dayandnight_jp
YouTube：デイナイ/Day and Night
TikTok：dayandnight_jp

第2弾作品は、2022年2月1日発売のbis3月号にて発表。続報をお楽しみに！