Column / 2018.03.30
話題の漫画『あげくの果てのカノン』作者・米代 恭さんに迫る
SF×不倫という設定が話題となり、玉城ティナさんや尾崎世界観さんもファンを公言している漫画『あげくの果てのカノン』。作者の米代 恭さんは弱冠20歳でデビューしたという天才肌!
この仕事についたきっかけ、苦労、これからチャレンジしたいことを語ってもらいました。
発表し続けることが自信につながるんです
受験で培った技術が今の仕事に生かされています
「本格的に漫画家を目指したのは、18歳のころ。漫画家の西島大介先生主宰のワークショップがきっかけでした。そこで、プロの漫画家とは食べるために漫画を描くのであって、自分の描きたいものだけ描くのではなく、決められた期間内に読者にウケるものを描いてこそプロだ、ということを言われたんです。当時、美大受験を控えていたのですが、制限時間内にデッサンを描くことや、教授に気に入られそうな構図を選んだりするところなど、商業漫画と美大受験ってすごく似ている部分があると思って。だから、今私が漫画を描くプロセスは、このころに体得した知識と経験が生きていると思います」
小刻みに目標を立てて時間を無駄使いしない!
「漫画に集中するために大学は中退してしまったのですが、辞める際に大学を卒業する年齢の23歳までには、一般的な初任給を漫画で稼ぐことを親と約束しました。ちゃんと食べていくには? コストは? 漫画家として成立するためには?と、色々考えた結果、“21歳までに連載”、“23歳までにコミックスを出す”など、具体的なタイムリミットを自身に設けました。それを達成するためには手段を選ばないと決めて、とにかく何かを発表しようと、がむしゃらに漫画を描き続けました」
読者からの反応がモチベーションアップに
「『あげくの果てのカノン』は不倫経験のある人に話を聞いたり、SF映画を片っ端から観たりして、全くゼロから模索したストーリーなので、今こんなふうに話題になっているのは本当にありがたいです。初めて描く構図や、強いセリフのシーンは、私もノリノリで描いているので、読者の方から反応があると励みになるし、予想外の意見には新しい発見がありますね。SFの面白さに初めて目覚めたので、いつか別の見せ方でも私なりのSF世界を描いてみたいなと思っています」
欠かせないお仕事道具♡
▽作画用のペン
0.1㎜単位で線を描き分けるので、つけペンから筆ペンまで様々。線を入れたあと、デジタルで仕上げます。(すべて私物)
神♡美容アイテム1
▽クリスチャン ディオールのリップ
コスメはほぼディオール。メイクに疎いので、カウンターでおすすめされるものをオトナ買いしています(笑)。
神♡美容アイテム2
▽めぐりズムのホットアイマスク
作画やPC作業で目を酷使する仕事なので、寝る前に蒸気のアイマスクを使っています。疲れが和らいで、翌朝には目がスッキリ。
♡INFORMATION♡
『あげくの果てのカノン』
ⓒ米代恭/小学館 月刊 ! スピリッツ連載中
決して叶わない恋心のゆくえは?
荒廃した街で異星生物と戦闘する国民的ヒーローの“先輩(既婚者)”と彼に妄信的に恋している主人公・かのんとの新感覚ラブコメディ。
♡Profile♡
1991年生まれの26歳。2012年アフタヌーン四季賞佳作を受賞した『いつかのあの子』でデビュー。代表作に『僕は犬』(秋田書店)。2015年より小学館『月刊!スピリッツ』にて『あげくの果てのカノン』連載中。
<<bis 3月号 P128より一部抜粋>>
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photo
Yukie Abe
Eri Umeda