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Beauty / 2020.06.08

美肌のためのつもりが逆効果……! ビタミン飲料と肌荒れの密な関係

日常生活のなかには知らず知らずのうちにやりがちなNG習慣があります。美容への努力を無駄にしないために、正しい知識ややめるべき習慣を解説した書籍『やめる美容』。著者の友利 新(ともり あらた)先生は、医師の立場から美容と健康を医療として追求・発信しています。

今回は『やめる美容』のなかから、女子が気になるお肌にまつわる話題をピックアップ。あなたのいつものスキンケアは、無駄な努力になっていませんか?

ビタミン飲料やスペシャルケアコスメがお肌にもたらすもの

お肌が荒れたらビタミンC入りのドリンクを飲んで、ニキビができたら専用の美容液を塗る……そんな美肌のための習慣が、じつは間違っているかもしれません。

ビタミン飲料は今すぐやめるべき


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お肌のためにまずやめることを推奨しているのがビタミン飲料。その理由は、飲料に含まれているかもしれないビタミン以外の物質にあります。

人工甘味料が引き起こすリスク

人工甘味料は糖尿病のリスクにつながると思っている方がいらっしゃいますが、どちらかというと気にするべきは腸内細菌。人工甘味料による真のリスクは、腸内が荒らされ、肌荒れが引き起こされるということにあります。

ビタミンCの配合を謳った清涼飲料がコンビニなどで売られていますが、こういった市販の飲み物に人工甘味料が含まれている可能性は、ゼロではありません。「肌が荒れているからビタミンを摂らなきゃ!」といいながらそのようなドリンクを飲むのは、美容において逆効果となってしまいます。

成分を選ぶコツ

人工甘味料を使ったものは一切食べないでくださいと止めるようなことはしませんので、せめて「たまに」にとどめてください。そして、飲んだら腸内環境を整えるヨーグルトやサプリメントを摂ってリカバリーする。

ただ、人工甘味料の摂取は避けるに越したことはないので、パッケージの裏側にある表示を見る癖をつけましょう。“甘い罠”にはまらないためにも、きちんと成分表示をチェックすることをおすすめします。

食品表示の見方ポイント

□「甘味料」の表示があるかをチェック
□ブドウ糖、果糖、麦芽糖、トレハロースなどは天然由来の甘味料
□原則として表示は使用量が多いもの順
□着色料、保存料にも注意

ビタミンを摂るのに最適な方法

ビタミンB群を摂りすぎると大腸がんの原因になるという研究結果も報告されています。じつは、ビタミンを摂らなきゃといってビタミン飲料を飲む必要性はそれほどないのです。

フルーツでビタミンCを摂るのなら、キウイや柑橘類、バナナがおすすめです。キウイやバナナにはビタミンB群も入っています。ビタミンAの摂取となれば、みかんですね。ほか、食物繊維を摂るためにりんごを取り入れてもいいですし、カリウムを摂りたいのなら、ウリ系のスイカやメロンポリフェノールでいえば、ベリー系がいいでしょう。

肌トラブルに合わせた化粧品もやめるべき


Instagram @0927akkopoko

ビタミン飲料と並んで、じつはやめるべきなのが、肌トラブルに合わせた化粧品。なかには高価なものもありますよね。手を出す前に、まず見直していただきたいことがあるのです。

肌は食事で改善できる

肌トラブルに合わせたコスメ、たくさん出ています。毛穴も気になるし、乾燥も、吹き出物も……と選びきれなかったり、同じようなアイテムをいくつも買ったりしていませんか? 高価なコスメをあれこれ揃える前に、食事について見直したでしょうか?

肌の悩みを抱える方のうち、食事や生活習慣によって肌状態をよくすることができる割合は少なくありません。肌トラブルに合わせていくつもアイテムを投入するのをいったんやめて、普段何を食べているかを振り返ってみましょう。

「甘いものを食べるとニキビができやすい」の2つの原因

糖質を摂りすぎたり、疲れていたりするとニキビができやすいことはみなさんも身をもって知っていると思います。このニキビの原因はおもに2つあります。

ニキビの原因その1
一つめの原因は、男性ホルモンによる過剰な皮脂分泌。糖質を摂取すると脳が興奮し、男性ホルモンが分泌されます。男性ホルモンが優位になると、顔が油っぽくなって皮脂が詰まり、肌トラブルの原因に。これは、ストレスが溜まっても同じことが起こります。

口のまわりに突然ニキビができた経験はありませんか? これは、男性ホルモン優位によるもので、ヒゲが生える場所にニキビができやすくなってしまうのです。

ニキビの原因その2
もう一つの理由は、糖質を分解するときに使われるビタミン不足です。甘いものに代表される糖質の分解には、ビタミンB群が多く使われます。ビタミンB群は油をおさえる作用があるのですが、糖質分解に使われてしまうと、顔からの皮脂分泌が過剰に……。結果的にニキビができやすくなってしまうというわけです。

ニキビ対策にはスイーツよりフルーツ

やはりスイーツをどかどか食べることはやめたほうが賢明。それでも甘いものが食べたい! という方には、フルーツを食べることをおすすめします。もちろん、フルーツにも糖質は含まれていますが、ビタミンや抗酸化物質が入っているものもありますし、腸内環境を整える食物繊維も摂ることができます。

肌の乾燥対策に最適なのは?

食の視点からみると、肌の乾燥を防ぐためにはオメガ3の摂取が最適です。

オメガ3とは……体でつくれない不飽和脂肪酸の一つ。必須脂肪酸とも呼ばれる脂質のこと。体の細胞膜やホルモンを作るという特徴を持っていて、アレルギーや体の炎症をおさえる効果もある。青魚などに多く含まれる。

じつはオメガ3の摂取が少ないと、乾燥肌に傾き、痒みがでてしまうということがわかっています。オメガ3には細胞膜をしなやかにする機能があるため、ある程度肌のバリア機能をアップする役割も担うのです。

いちばん簡単な乾燥対策は、水を飲むこと!

さらに、もっと簡単に乾燥を防ぐ方法があります。それは水をたくさん飲むことです。単純明快ですが、水を飲むと顔の水分量が上がります。化粧水をばしゃばしゃと1日1本の勢いで使うよりも、水をたくさん飲むほうが肌の水分量を保持できるのです。

最低でも1日に1〜1.5リットルくらいの水を飲むと、顔を含めた皮膚の水分量が上がっていきます。水だけではちょっと……という方はノンカフェインのお茶がおすすめです。

今日から始めたい、やめる美容❤︎

『やめる美容』より、美肌のためにやめるべき習慣をピックアップしました。書籍では、これらを含めたやめるべき習慣を20項目ご紹介。「糖質オフはやめる」「ランニングはやめる」など、気になる話題が盛りだくさんです!

やめる美容 著者・友利 新 定価(本体1,300円+税)/光文社

 

友利 新……医師(内科・皮膚科)。 沖縄県宮古島市出身。 東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。 現在、都内のクリニックに勤務する傍ら医師という立場から、美容と健康を医療として追求し、美しく生きるための啓蒙活動を雑誌・TV などで幅広く展開。書籍の執筆や講演会なども多数行っている。 2004年第36回準ミス日本。 2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。 子育て応援・ママ応援大使。3児の母。

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